第30話

 という感じで。

 できるかどうかはわからないけど、やってみることになったのだ。

 そんな中、上手くいかないことを願っている自分がいることに心底嫌気が差した。

「よし!こんなでいいだろう!」

 人化したことで汗なども掻くようになった花子さんが額の汗を拭い、満足げにうなずく。

 そんな花子さんの周りには使ったたくさんの資材や工具が雑多に置かれている。

 それに廃材も。

 片付けが面倒くさそうね。

 もうすでに嫌な気分になってくるわ。

「できたのか?」

「おうよ!」

 花子さんの手元には立派な神棚があった。

 本当に立派だった。

 売り物として売っても全然平気なくらいに。

 あの日からまだ2日。

 2日でここまでやってくれたのだ。す

 ごいと言わざる負えないだろう。

 これもひとえに、まる2日間寝なずに頑張ってくれたおかげだろう。

 まぁ、人化したあとでも寝なくて平気らしいけど。

 人間と同じように汗を掻いたり、眠ることはできるらしいけど、それが必ずしも行わなければいけないものと言うわけではないらしい。

「すごいな。正直ここまでとは思わなかった」

「だろう!すげぇだろ。感謝してくれて構わないぜ!」

「あぁ。本当に。俺がこれを作ろうとしたらかなりの時間を要することになるだろう。助かった。ありがとう」

 弘樹先輩は素直に花子さんに頭を下げる。

「お、おう。そうか!」

 花子さんはお礼を言われなれていないのかどういう反応を取ればいいのかわからず戸惑い、頬を少し赤くする。

 かわいいわね。

「俺らの装飾ももうすぐに終わる。となると、あとは部長たちの神札だけか」

「そうね」

「一体どれほどの時間がかかるのかしらね?」

「さぁ?そればっかりはわからん。蓮とベルゼブブに任せるしかない」

 蓮とベルゼブブ曰く、本当に蓮の中に神がいるのだとしたらかなり格の高い神様らしく、神札を作るのならばかなり格式の高いものを作らなくればならないらしい。

 なので蓮とベルゼブブが世界中を巡って、神札のための材料を集めているらしい。

「まぁ、別にすぐにやらなきゃいけないものってわけじゃないんだ。楽にやろうぜ」

「そうね」


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