第6話

 

「はぁー。色々と難しくなりすぎ」

 私の隣に座る蓮が机に倒れる。

 今、私達は部室で今日出された宿題をしているのだが、蓮が苦戦しているのだ。

 彼が学校に通っていた時期などはるか昔で、もう殆ど覚えていないのだという。

 そもそも、彼が学校に通っていた時期と今では勉強する内容も全然違うため、彼が理解するのにとても苦戦しているというわけだ。

 ちなみに、他のオカルト部のメンバーは蓮の不老不死について調べるため、図書館に行ったり、知り合いのオカルト有識者の人に話を聞きに行っている。

 不老不死という最高のオカルトに実際に復活したところを見た三人のテンションはマックス。

 すぐにいなくなってしまった。

 そしてここ数日はあまり顔を見せずいろいろなところを見て回っている。

 特に、オカルト大好きな部長のテンションの上がりようは正直な話。少しキモいとも思ってしまったわ。

「しかもちょいちょい歴史間違えているし」

「あら?そうなの?」

「うん。あぁー、面倒」

 とうとう蓮は勉強を放棄し、ペンを回して遊び始める。

 ……見たことない回し方しているけど、どうやってるの?

 いや、というかどうなっているの?

 物理法則に従っている?

「ねぇ気になっていたのだけど、なんでオカルト部のみんなに自分が不老不死であることを話したのかしら?」

 私はペン回しのことを一旦忘れ、私が一番気になっていたことを蓮に尋ねる。

「ん?あぁ、僕はオカルト関連に疎いからね。彼らが僕がなぜ不老不死になったのかを彼らならわかるのではないかと思ってね」

「……それでも自分の秘密を語るほど信用できたのかしら?」

「うん。伊達に長い年月生きていないよ。人の目を見ればある程度の人なりはわかる。部長は何も考えていなくて、弘樹先輩は他人に興味がなくて、ひな先輩は闇を抱えている。彼らならば純粋に僕の不老不死の謎に挑み、誰にも話すことはないだろうと確信している」

「……そう」

「まぁ、バレたとしても別に構わないからな。最悪すべてをリセットしてしまえばいい」

 リセット……!

 さらっととんでもないことを言うわね。

 蓮は何をするか、何をできるかわからないから蓮が言うと冗談に聞こえなくなってしまう。

「彼らが僕がなぜ不老不死になったのか。そして普通の人間に戻るためにはどうすればいいか。どんな些細のことでもいいからヒントを掴んでほしいからね」

 ……普通の人間に、戻る……。

 そう、だよね。

 戻りたいよね。普通。

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