第13話★アスパラガス★

畑をやる人で、苗を求めて種苗店に行った事のある人なら、もしかしたら、アスパラガスの根っこを見たことがあるかもしれない。

蛇腹に丸められた3年~5年ものが、タライに入れられて並んでいたと思います。


少し大変だけれど、種から蒔いても、アスパラガスを収穫することはできます。


私は、畑を借りて最初に、蕗を分けてもらって植え替え、更にアスパラガスの種を蒔きました。

どちらも、何年も先にならないと、収穫はないのです。だからこそ、最初に植えたし蒔いたわけです。

何事も計画は大切です。

それから、大蒜とさつまいもをルーティングしました。収穫時に掘り起こすものだから、必ず土がほぐれます。


何をしていたかというと、

最終的には、大根を作りたかったのです。


3年経ったところで、更年期に差し掛かり

体が変調に悩まされ、不安定になったところで、継続力がないと判断されてしまいました。


檸檬の事もあって、条件のよい物件が現れたので、引っ越しを決断し、思い出の品の一部を運んでくることにしました。菊と自分で種と株を継いでいるさつまいも、なす、アスパラガスと、お気に入りのヤマウドです。

トマトやキュウリやオクラなど、種のまま運べたので、また、種を継がねばなりません。


引っ越して、ひと月後、運んできたそれらを整理しました。


アスパラガスは、葉を茎から切って、藁の代わりにプランターのサイズに切り揃えて、ぎゅうぎゅう押し込みました。

窮屈ですから、腐らないよう手がかるはずですが、その年の春、初めて収穫できたアスパラを畑においていくことは、できませんでした。種から、3年、素人の世話で、実った訳ですからいとおしいわけです。


様子を見たところ、鉢の中でも、落ち着いたようなので、冬支度をすることにしました。茎を刈り取って、藁の代わりに土を覆うのです。

これを繰り返すことで、だんだん厚くなる空気の層が、土の温度の変化を防いでくれるわけです。


私は、ミントも刈り取って、細かく切り刻み、ヤマウドの鉢にふり入れました。まぶしておけば、朽ちて腐葉土になるまでにガスの溜まりを防げて、空気を含む層を作れるため、生き残ったヤマウドの新しい根が育ちやすくなるからです。

スッキリした鉢や、プランターに満足しましたが、汗がポタポタ落ちるほどエネルギーを

使ったことで、「老い」を思い知ります。


たとえゆっくりでも

その日まで、できることをすることは

命を大切に思っている事を

自分に知らせることだと知っているからです。


…続




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