第3話 姫の計画

舞踏会の知らせは国内の娘がいる家庭全部に来て、まぁ、私の家にも来たわけ。

自分の結婚相手を探すためにそんなパーティ開くなんて王族も優雅なものねなんて、最初は軽く流してたんだけど。

どうせなら舞踏会を利用してこいつらを見返してやろうって思ったの。

王子を落とそうなんて微塵も思ってなかっ

た。本当よ。

綺麗な格好をして、あいつらを驚かせたかっただけ。

気が変わったのは、舞踏会より前に王子に会えてしまったから。

確かあれはあの馬鹿姉妹のドレスを仕立ててもらいに街まで行った時だったわね。

「お嬢さん、落とされましたよ」

買い物籠に入ってたメモが落ちたのね。拾ってくれたのよ。

お忍びで街に来てた王子がね。

まぁ、王子と知るのは後の話なんだけど。

「ありがとうございます」

そう言ってにこって笑ったら凄い顔赤くしてた。

こんな格好でもやっぱり素の美しさって出てしまうものなのね。

...何よ。人を虫けらみたいに見て。

私が美人っていうのは自慢じゃないの。事実なのよ。しょうがないでしょ?

話を本題に戻すわよ。

とにかく、その時は王子って知らなかったから、ただあいつらを見返してやるために計画を進めてた。

ドレスもあいつらのものと一緒に仕立ててもらったのよ。

あいつらの金で、倍の金額をかけてね。

他にも馬車とか靴とか色々手配したのよ...もう人にバレないように大掛かりな準備するのって本当大変なんだから。

あ、フェアリーゴッドマザーとかいう魔女が私に魔法をかけてくれたって話、全部私の作り話だから。

驚いたって顔してるわね。当たり前でしょ?

魔女なんか、いるわけないじゃない。

そもそも世間に出回ってる話は全部私が作り上げたフィクションなの。

私のイメージアップのためのね。

早く話の続きをしろって?もうせっかちねぇ。

まぁ、そんなこんなで色々準備して、舞踏会当日がやってきたわけよ...

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