STAGE2
お手紙があるそうで
強風が吹き付けると私は草の上にたっていた。草原と呼ばれるようなあの場所。直ぐに、「戻ってきたんだ」と分かる。空気が、世界が「おかえり」と私に伝えてくる。
鏡がないだろうかと、ポケットに手を入れると一通の手紙が入っていた。恐る恐る中を開けると、アトラティス様からだった。
Dear リリィー
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やぁ、リリィーちゃん。無事に、ヨティシア帝国のヨルン街の近くに着くことは出来たかな?本当はもっと、リリィーちゃんと話していたかったんだけど、時間がなくて、急に転移させちゃってごめんね。言い足りなかった事を手紙書いたよ。
初めに、今はリリィーちゃんがいた時代から1000年の時が経った世界だよ。何が変わったとかは、過ごすうちに分かると思う。
まず、リリィーちゃんのお金事情を先に言うね。
覚えているかもだけど、単位は日本円と同じ。円がエンってなってるだけの違い。簡単だよね?そして、リリィーちゃんの今の所持金は、ざっと1億エン。リリィーちゃんが、百合ちゃんとして稼いだ保育士としての給料と、リリィーちゃんが聖女として活動していた時の報酬が、ざっと合わさってるよ。これは、もう全てリリィーちゃんのものだから、自由に使ってくれてOKだよ。
次に、1000年前になくて今にある事をいうね。
それは、ギルドカードが誕生したこと。これは、身分証になるから、ヨルン街でGETしてね。そこに、リリィーちゃんのお金が振り込まれるから。まぁ、手始めに、5000エンくらいは持たせとくからね。
最後に、君の愛しの彼は今は立派な魔王になってるから。頑張ってねー
By 創造神アトラティス
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私の財産が1億円程あることに驚く。保育士として働いたとしても、得られる年収は限られている。でも、その時の何倍以上に膨れ上がっている金額に目眩がする。でも、実績がお金として、見える現実にうつり変わっている様子は、何だか不思議な感じがした。
手紙が1枚で終わっていない事に気付く。もう1枚をみると、住居書みたいなのがあった。
「何コレ……、え、甘えろって事なの…かな?」
アトラティス様の真意は分からない。けど場所が、ヨルン街になってる事から、そこを拠点としろと言うことなのだろうか。まぁ、そこに行く事に越した事はないんだろうけど。身分証を作らないといけないし。
と、言うことで私はヨルン街に向かうことにした。
Tender fleur─聖女になる気はありません─ 楼星 @rosejewel
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