決勝戦 禁じられた遊びゲーム

第74話 プロローグ

 ステンドグラスの天井から差し込む赤い光がホールを照らした。


 中央に植えられた白い花々が鈍いピンク色に染まる。そこは室内だが、さながら花に彩られた庭園のように装飾が施されている。


 そんな場所で少女はひとり。差し込む赤の光を背に、三つの大きな壁画を見上げた。


 ひとつは聖杯を手にした人間。


 ひとつは十字架を手にした骸骨。


 ひとつは剣を手にした悪魔。


 壁画に描かれた三者は無機質な瞳で互いを見つめている。


 それを見上げる少女もまた感情のない瞳でその絵を見つめていた。そしてただ、その時を待つ。


 禁じられた遊びの始まるその時を。


 時が止まったかのような静寂の中で、ぽつんと、小さな影は佇んでいた。


 そのさまはまるで、鳥篭に仕舞い込まれた人形のようだった。

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