第102話 るろうに剣心とアニメ主題歌タイアップとか

やっほー。

くろねこ教授です。


今回も『るろうに剣心』であるが。


その中でもアニメソングとタイアップについて触れたい。


『るろうに剣心』が放送された1996年頃は、なんとなくアニメのタイアップつけるとCD売れると言う話が有名になってきた時期であった。

以前から売れないアイドルがいきなりアニソン歌ったり、演歌の大御所が何故かアニソン歌う、とゆー現象はあったのだが。


現在の形に近づいたのは『スラムダンク』の影響が大きいと思う。

放送は1993年。

テレビ朝日で、音楽協力テレビ朝日ミュージック。

2クールごとにOP、EDともに歌を替え、アーティストを売り出す。

ドラマやバラエティー番組に使われた手法で、これを広めたのがテレビ朝日ミュージックと言われている。

それをそのままアニメにも利用したのである。

これはキレイにはまった。

『スラムダンク』は原作マンガ自体に、今までのマンガアニメと違う切り口で挑んだ感が強い。

それまでのアニメと違う主題歌が使われ、J-POPJ-ROCKがあてられるのも作品的に似合っていた。

大黒摩季、BAAD、ZYYG。

『スラムダンク』をあからさまに意識した歌でも無いのだが、イメージがずれたりはみ出したりもしていない。

メロディーを聞くだけで、桜木花道の下校シーンや流川楓のバスケシーンが浮かんでくる。


『るろうに剣心』の主題歌はとゆーと。

オープニングに『そばかす』JUDY AND MARY

エンディングに『Tactics』THE YELLOW MONKEY

正直両方とも『るろうに剣心』のイメージと遠い。

コメディ要素もあるとは言え明治舞台の元人切りの話に似合っているとは感じづらい。

いや、ジュディマリさんもイエモンさんも好きなんですよ。

特にジュディマリはくろねこ教授はYUKIファンでアルバムも何枚か持っている人なんだけどさ。

でもなー。

もう少し番組のイメージに合わせてくれていーじゃん。


ちなみにYUKIが後に語ったところによると。

アニメのタイアップとは聞いていた。

『るろうに剣心』の事は知らなかった。

なので子供の頃見たアニメのイメージで可愛い元気な歌にした。

らしい…………彼女は悪くない、と思う。


しかし、この歌は両方ともヒットした。

『そばかす』はジュディマリの最大のヒット曲となったらしいし。

『Tactics』に関しては……CDが『JAM』とカップリングなんで判断が難しい。

『JAM』は多分イエモンの中で一番有名な曲だよね。


従来のアニメファンに主題歌は違和感が有ったモノのまずまず軌道には乗った。

一つにはアニメ制作サイドの映像造りが良かった。


多分……『そばかす』を聞かされてさー。

これに『るろうに剣心』の映像乗せるの……どうしよう……と言うスタッフさんの困惑は絶対あった筈なのだが。

上手い。

リズムに合わせた、明るいアニメ映像。

曲のテンポとタイミング合わせて悪役が並んで流れるシーンも印象深い。

『Tactics』の方も曲調に合わせた暗い画面造りが映える。


その後もT.M.Revolution、L’Arc~en~Ciel、SIAM SHADE、川本真琴らの主題歌が続く。

『るろうに剣心』のタイアップで一気にメジャーになったアーティストもいるし。

タイアップ曲が自身最大のヒットとなってる方も多い。


アニメに関係無い方向性の曲が多いのだが。

西川貴教さんには配慮がうかがえる。

タイトルが『HEART OF SWORD~夜明け前~』、主人公剣心とかけているのである。


誤解しないで欲しい。

『三分の一の純情な感情』だって好きなんですよ。

でもさー。

剣心のイメージとはまっているかとゆーと、そうでは無いじゃん。


その一方で少し後ではあるのだが、『ヒカルの碁』のテレビアニメは主題歌のタイアップが非常に上手かったと思う。

2001年の放送でレコード会社はavex。

エーベックスは、『ウルトラマン』『仮面ライダー』なんかも上手い。

1999年の『頭文字D』にユーロビートを流したのはまさにavexならでは。

Dreamや観月ありささんを『ヒカルの碁』に起用。

これもアニメ畑じゃ無いアーテイストの方達なのだが。

歌詞にみごとに『ヒカルの碁』の世界観をちりばめているのである。

キミが今ボクを支えて~

ボクが今キミを支える~

あのOPも良いし。

Music is my thing 白と黒で描く~

と言う歌詞のEDもまさに囲碁のイメージであって。

かつ番組を知らないで曲だけ聴いた人には、音楽の五線譜を思い起こさせる。

素晴らしい作詞だと思う。


ソニーさんはまだ世に知られていないロックバンドを発掘して世に送り込んだという意味ではまさに功労者だとは思うのだが。

以前のアニメタイアップは下手だったと思う。


自分がどうしても思い出してしまうのは。

PEARL とゆーロックバンド。

個人的にファンでアルバムもほぼ全て持っていて。

それがソニー所属でアニメ主題歌歌うことになった。

アニソンの似合うバンドじゃ無いんですけど、と思いつつもやはり気になる。

OVA『ガルフォース3』のエンディング、『ボトムライン』。

テレビ『名門!第三野球部』のオープニング、『誓書バイブル』。

どちらもいい歌なのだ。

だけど、聞いたこと無い、と思ったでしょ。

アニメ映像と全く合って無くて、話題にすらならずに終わった。

そして。

PEARLのボーカルはソニーを出て、ソロで活動する。

ポリドールレコードでアニソンタイアップ、大ヒットを放つのである。

田村直美、『魔法騎士レイアース』の主題歌、『ゆずれない願い』。

この歌は売上120万枚、田村直美さんは紅白にまで出場する事になる。

そう、PEARLのボーカルで中心人物とは、実は田村直美さんだったのだ。

ソニーは何をやっとったんじゃい!

と言いたくもなるでしょ。


ソニーさんがアニプレックスと名乗りだしたのは2003年。

元サンライズのプロデューサー、植田益朗を統括チーフとして招いた。

そこからアニメファンの取り込みは劇的に進化する。

アニプレックスさん絡みのアニメ番組のOP、EDをソニーのアーティストに担当させるスタイルは変わらないが。


代表的なのは2003年版『鋼の錬金術師』。

『メリッサ』 ポルノグラフィティ。


君の手で~切り裂いて、遠い日の記憶を~。

である。

そこに金属の腕を持ち上げるエドの映像が重なるのである。

シビレる。

ASIAN KUNG-FU GENERATION にL'Arc〜en〜Ciel 。

それぞれアーティストの曲として独立しながらも、歌詞に番組のイメージが上手く散りばめられているのである。

どこまでアーティストの方と事前打ち合わせをしているのかはよく分からないが、まったくの偶然ではないだろう。


『鋼の錬金術師』は1クールごとにOP、EDを変え、全てがヒット。

全OP、EDを集めた『鋼の錬金術師 COMPLETE BEST』はオリコンチャートで一位を獲得するのである。


昔ながらのアニソンが好きと言う方もまだ世の中にはいて、それは自分も多少思うところではあるのだが。

こーゆーのも良い。

実力派アーティストさんが好きなアニメのイメージソングを作ってくれたと思えば良いのである。


そんな訳で『るろうに剣心』の頃からアニメタイアップは進化したという話でした。

次回は『るろうに剣心』OVAについて語りたい。

【2024年7月15日投稿予定】


ではでは。

くろねこ教授でした。

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