第76話 小説『オメガ城の惨劇』
どーも。
くろねこ教授です。
『オメガ城の惨劇 SAIKAWA Sohei’s Last Case』読了しました。
森博嗣先生の新作。
久々の名前。
犀川創平。
それだけでトキメいちゃうよな。
『すべてがFになる』
テレビドラマ化され、テレビアニメ化され、ゲーム化され、マンガ化もされているこの作品の主役と言うか探偵役が犀川創平である。
これだけメディア化されてるので、どれかしらでは見た人も多いだろう。
自分はドラマもアニメも見た。
ドラマ結構良かったと思う。
西之園萌絵:武井咲には拒否反応が出た人もいたらしいが。
犀川創平:綾野剛は頑張っていた。
音楽:川井憲次なのも自分的には良かったし。
主題歌:ゲスの極み乙女なのもあのタイミングにはバッチリであった。
アニメはノイタミナ枠。
キャラ原案:浅野いにおは正しかったのか?
マンガ家としての浅野いにおの作家性は素晴らしいと思うのだけど。
ゲーム、マンガの様にクールな女性マンガ家タッチを持ち込んだ方が正統だったんでないかい。
チャレンジではあっただろう。
ゲームは自分、途中で挫折。
だってプレイステーション1だし。
無駄に時間かかるし。
現在ではプレミア付いてるらしいけど、既に処分してしまった。
漫画は浅田寅ヲさんの版は目を通している。
霜月 かいりさんの版は読んでいない。
にしても。
『黒猫の三角』の皇なつき氏による漫画化は完璧!であった。
アレまたやってくれないかなー。
あれこそ、正に漫画家にとっても原作にとっても幸運の出会いだったと思うんだけどな。
くろねこ教授にとって山田章博さんの画は神に近い。
皇なつきさんは一枚絵でこそ山田章博さんに劣るが。
漫画としてのコマ割り、背景とキャラのかみ合わせ、で言ったら皇なつきさんの方がより神。
お二人とも現在ではイラストレーターとしての仕事がメインになってしまわれた模様。
ちなみに『十二国記』で好きになった人でも『ロードス島伝説』の人でも無いです。
東京三世社の小悪魔シリーズとか読んで喜んでいた人です。
イラストだったら『地球樹の女神』。
『オメガ城の惨劇』のハナシ、そろそろしないとイカンね。
『オメガ城の惨劇 SAIKAWA Sohei’s Last Case』
マガタ・シキの名が記された招待状に導かれ六人の天才学者は孤島へと集まる。そこには日本人サイカワも加わっていた。
雑誌記者の視点で語られていくうち、この島こそ以前マガタ・シキが絡んだ殺人事件のあった島であった事が明らかに。
最後にはチラっと瀬在丸紅子さんも出て来たりして。
Vシリーズも読んでる人へのサービス。
と言うか、この本自体がS&M、Vシリーズ両方読んでる人向けなのか。
一応単独でも楽しめるように完結していて。
でもシリーズ読んだ人だけに分かるトリックも放り込まれてる。
如何にも森先生の真骨頂。
『今はもうない』のオチがやっぱ素晴らしかったと思う。
ミステリーのタネあかしで驚かされる事はいくつも有れど、あの切れ味はなかなか無い。
興味のある人には是非一読をオススメするけど、『今はもうない』一冊だけ読んでも伝わりずらいと思われ。
S&Mシリーズ1、2冊読んでからね。
S&Mシリーズ。
犀川創平&西之園萌絵シリーズ。
『すべてがFになる』から始まる全10冊。
Vシリーズ
瀬在丸紅子のVenicoシリーズであるらしい。
保呂草潤平、小鳥遊練無、香具山紫子、瀬在丸紅子ら阿漕荘の住人が繰り広げるシリーズ。
全10冊。
どちらかと言うと初めて読む人にはVシリーズの方がとっつき易いかもしれない。
キャラが良いし、コメディ要素や話も分かり易い。
だけどな。
20冊を越えて読むぜっという気合と時間のある人には。
是非こう読んで欲しい。
S&Mシリーズ→『ぶるぶる人形にうってつけの夜』→Vシリーズ
『ぶるぶる人形にうってつけの夜』は短編集『今夜はパラシュート博物館へ』に収録されている。
これを読むのはVシリーズ1、2冊読んでからがいい。
純粋な発表順で言うなら、5冊目『魔剣天翔』の後だけど、その辺の順番は拘らない。
S&Mシリーズ、Vシリーズ登場人物の共演短編。
重要な一本。
ただし、Vシリーズラストに行く前に読んで欲しい。
きっとシリーズ読み終えて。
おおっ、そういう事だったのか。
??????
アレッでもおかしくない?
そしてもう一度『ぶるぶる人形にうってつけの夜』を読んで。
うひょー、そう言う事でしたか!
森博嗣すげー!
ってなると思う。
最後には『刀之津診療所の怪 』も読んで良いだろう。
短編集『レタスフライ』に収録されている。
そう数えて行くと、この感慨を味わうためのハードル結構高いな。
でも読書好きな人なら読んでみて欲しい。
損はしないと思う。
アクマでくろねこ教授の感想だけどね。
とりあえず、オススメはしておきたい。
一本ずつでもちゃんと読めるようになっており、しかし通して読んだ人だけに分かる謎が隠されていて、その答えもちゃんと分かる。
すげー!
こーゆー大仕掛けをやりたいって思う作家さんは他にもいるだろうが。
出版社側の都合も絡んでなかなか実際に出来るモノでは無い。
これが実現してるのも奇跡のような確立だと思う。
いろんなタイミングが絡んでると思うのだ。
あの時京極夏彦がバカ売れしていた。
その次に来る人として森博嗣がプッシュされた。
表紙がアッサリし過ぎた白い印象のノベルズ。
印象的ではあってもなかなか手に取られにくかったハズだ。
それが驚くほど売れ、一時期どこの書店でも平積みされていたのだ。
講談社ミステリー、メフィスト賞の時代である。
くろねこ教授が書店員だった頃だったりして。
メフィスト賞の第0回受賞作が京極夏彦氏の『姑獲鳥の夏』。
第1回受賞作が森博嗣氏の『すべてがFになる』。
清涼院流水、乾くるみ、高田崇史、高里椎奈、殊能将之、舞城王太郎、佐藤友哉、西尾維新、辻村深月、汀こるものを次々デビュー羽ばたかせた。
くろねこ教授が好きな作家さんも多い。
これはくろねこ教授の勝手な推測だが、あの頃初期ラノベを読んで育ったエンターテインメント小説読みの方々が、そろそろラノベもしんどいな、となって行先を探してた。
そこに丁度良い受け皿だったのが講談社ミステリーで角川ホラー文庫であったのだ。
角川はKADOKAWAらしく、話題作の映像化でプッシュした。
講談社は講談社らしく、本の装丁や内容で勝負した。
そんなこんながあって、あの頃森博嗣先生の作品を読んだ方は相当に多かったのだ。
だからこそ出来た大仕掛けである。
出版社も講談社じゃなきゃ、厳しかっただろうな。
それもあの頃のメフィスト賞絡みの勢いがプラスされたからこそ、やれたのだと思う。
とゆー訳でなかなかお目にかかる事の無い大仕掛けである。
おいらミステリー好きやねん、て人は是非読んでみてね。
次回もう一回森博嗣先生のハナシしちゃおう。
ではでは。
くろねこ教授でした。
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