439話 野獣

 夢の中での女神様との戦いを終えた俺は、再び夜中に目を覚ました。

 リン(?)はずいぶんと心配してくれていたようだ。

 俺の金玉が爆発しないように、彼女に協力を要請した。


「で、では、いきますよぉ」


(温かいな……)


 俺はリンの手の中で安らぎを得た。

 いつもの彼女は、男勝りな性格だ。

 その荒っぽいプレイにはいつも魅了されていた。

 風邪をひいている今、彼女とのプレイは少し不安だったが、どうやら杞憂だったらしい。

 いつもの彼女とは異なり、ずいぶんと控えめで大人しい力加減だ。

 だがそれが心地いい。


「気持ちいいぞ」


 俺は素直な感想を口にする。


「そ、そうですかぁ」


 リンが俺の正面に回る。

 この体勢からは、彼女の美しい金色の短髪や男っぽくも魅力的な容姿が一望でき――


(ん?)


 兎耳が生えているのはいい。

 だが、短髪ではなくミドルヘアーぐらいはある。

 顔つきもリンっぽいが、細部が異なるような……。

 どこか、より女性らしい感じだ。

 俺がそんなことを感じたとき――。


「うぐっ!」


「ど、どうしましたかぁ?」


「だ、大丈夫だ。しかし、限界が近い」


「そ、そうでしたかぁ。初めてでしたが、うまくできたようで良かったですぅ」


 リンがそう言う。

 彼女が初めてなわけがない。

 俺と何度もしているのだから。

 だが、細かいことは今はいい。


「うおおおぉっ! リン!! お前が好きだ!!!」


「えっ!!?? きゃああああぁっ!!!」


 興奮が限界に達した俺は、野獣のようにリンに襲いかかったのだった。

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