第2話 貴族院の残念悪役令嬢。(黒子視線「とあるヤンデレた姉様の悪役令嬢転生記」②)

【エクササイズ② 貴族院の緋色眼】


■ 主人公または敵対勢力によって、それはどう変わっていくか?

 《火照る熱》に悪役の仮面を焼き焦がされた令嬢は、小さな貴族社会のモラルを壊したいなどとは、もはや思いません。聖神殿での謹慎の日々を終えたアールトネン伯爵家の令嬢リスタリカは、王国ベルンハルトの貴族院へと戻ります。


 今の彼女は、もはや悪役令嬢ではありません。

 リスタリカの内なる《火照る熱》は、リングワールドという《かりそめの世界そのもの》を壊したいと焦がれております。それは、《火照る熱》の中に宿る前世の「あの子」への想熱おもひねつから来たりし思いなのでしょうね。


 やがて、体内に湧き上がりつける《火照る熱》をミリの世界にまで圧縮できるようになったリスタリカは、《火照る熱》を緋色眼へと昇華させていきます。


 そして、緋色眼の令嬢は、貴族院魔法科学校での最優秀生エクセレントとなりますの。

 

 あら、この中世風の世界にも「科学」というものがあるのですわね。

「科学」された魔法とは、もはや超能力のようなものではなくて?!


 ■ 主人公ヒロインが置かれたシチュエーションは平凡か、奇抜か?


 かつてのヤンデレ姉様は、《火照る熱》へと転生し、宿主令嬢の悪役の仮面を焼き焦がしました。そして、令嬢により「緋色眼」へと昇華され……


 どこぞのゲゲゲの目玉おやじ、もとい、

 ヒイロの目玉ヤンデレ「緋色眼」が、主人公ヒロイン

 そんなシチュエーションは、少しばかり奇抜なのかもしれませんわね。


主人公ヒロインの目的は?

 「緋色眼」となりし後も、《かりそめの世界》を壊し「あの子」の今を知りたいとう想熱おもひねつこそが、主人公ヒロインの目的。


✧……✧……✧……✧


 一途な主人公ねえさまですわね。

 この黒子も少し羨ましくも感じてしまいますわ。

 ねぇ、お姉様。

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