とてもリアリティが感じられ、すごく良かったです。
3.11の描写は心がえぐられるようでした。
完成度が高く、素晴らしい作品ですね。
貴重な読書体験となりました。ありがとうございます(*^^*)
『海のシンバル』拝読させていただきました。
朝明け時の海の清らかさと冷たさを感じさせる透明感と、自然の生々しい残酷さを感じさせる文章が非常に美しかったです。軽やかさの中に重みがあり、滑らかさの中にざらつきがある。そんな背反する二つの要素が重なり合いながらも、調和のとれた素晴らしい文章だと感じました。そして、ホテルや震災、人間の感情の変遷、シンバルの音、全ての描写が、余白を持ちながらも、鮮明な光景、明瞭な音として想起できるよう、描写されている点は感服いたしました。
内容も素晴らしいものでした。2011年3月11日の東日本大震災という天災、逃れられない理不尽によって、自分が持ちうる幸福の全てを奪われてしまった少女の諦観を、見事に表現していたと思います。そして、理不尽と自身の運命を諦めるしかなかった少女を理解し、理解させようとした磯辺のペシミズム的なエゴの醜さと美しさも丁寧に表現されていました。
また、陳腐な言葉となってしまいますが、『登場人物の心の距離間』が極めて上手く表現できていると思いました。一方は肉体以外の何もかもを理不尽に奪われた少女であり、一方は生活のすべてを持っているはずなのに幽霊になりたいと願う青年。このあまりにもかけ離れた心の距離を埋めようとする青年と初めからできるはずがないとわかっていた少女の接近と離反の連続が緻密に描写されていました。
美しい文体で構成された海に消えゆくシンバルの残響のような本作は、おおよそ読者全員の琴線に触れる素敵な小説だと思います。
月並みな感想となり、申し訳ありません。
こんちには、加糖のぶですm(_ _)m
海のシンバル 拝見させて頂きました。
私も上手く言葉に出来ない人なので上手い言葉は言えませんが………不甲斐なさ、後からの後悔、喪失感……何となく分かります。
ホテルマンと女子高生という遠い距離にいる存在、そんな中、起送管ポストで便箋を使い話す2人。
話を読んでいて自分自身がその場にいる様にのめり込み読んでいました。
磯辺の想い、でも決してRには届かない気持ち……恋愛って、人生って難しいんだなって実感させられました。
私が感情移入をしてしまったのもありますが……恋って本当に甘くて切ない事なんだって思いました。
拙い私の感想ですが、とても良いお話でした、最後は私もうるっと来ました。
良いお話をありがとうございますm(_ _)m
読了しました。
心に波のように広がる静けさと切なさが共鳴し、胸がいっぱいです。ピシナムとRの記憶が紡ぐ、消えゆく足跡の物語に心の深いところが揺さぶられました。遠く離れた者たちの想いが海を通じて繋がり続ける様は、儚くも温かい。誰もが抱える喪失を超えて、生き続けることの意味を考えさせられる最終話でした。
読後も余韻が深く、物語の中に宿る温かな光を見つけた気がします。素晴らしい結末を届けていただき、感謝いたします。