クリスマスデート
あれから半年近くが経った。
今日は2学期の終業式だった。
今、クラスメイトは教室で各々友達と話をしたりしているが、私は1人だった。
結局、私はクラスメイトともあまり話すこともないまま2学期を終えてしまった。
それに、あの後一言も花菜とは口を聞いていない。
まぁあんな事もあったし、当然と言えば当然なのだが、小さい頃から仲良くしていただけにやはり少し寂しいとは感じた。
それでも私は今の学校生活に満足していた。高原君と2人で話せているだけで毎日がバラ色にだったのだ。
文化祭が明け、晴れて付き合う事になった私と高原君は、あれから何回もデートをした。
夏休みを挟んだ事により私たちの距離は一層縮まっていた。
中には、私と高原君との関係を快く思わない女子もいた。彼女たちからは嫌がらせも何回も受けた。
しかし、その度に高原君は私の事を守ってくれた。何があっても私の味方をしてくれた。
私にとってはそれが何よりも嬉しくて、高原君以外の人とは話さないでもいいや、と
思うようになっていった。
1人で椅子に座っていた私に、いつものように高原君が話しかけて来てくれる。
「あのさ、せっかくの冬休みだし、どこか一緒に行きたいんだけど。ど、どうかな?」
「うん、いいね。行こうよ。」
「良かった。嫌だって言われたらどうしようかと思ってた。」
そんなの嫌って言うわけないのに、私は思った。
高原君は時々自信なさげになる時がある。
主に自分の思っている事を話す時だ。
まぁそこも可愛いんだけどね。
「どこ行きたい?」
「んー、やっぱり2人でイルミネーションとか見たいかな。」
「じゃあ駅前のとこの行こうか。」
「うん。そうしよ。」
「じゃあ24日の7時にいつもの時計台の前ね。」
「分かった。じゃあ、また当日ね。」
かくして、私たちはクリスマスデートに行くことになった。
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