第9話 三毛猫のミー

僕はさっそく、ペットショップでエサを買ってきた。

トイレに関しては姉の家から持ってきた。

キャットタワーも、爪とぎも全部揃っていた。


さっそく自分の家に設置するが、ミーは隅っこに隠れて出てこない。

猫と過ごす為に3冊程、本を読んだが、猫は新しい環境になじむまで時間がかかるようだ。

そして、僕という新しい家族に対しても警戒心があった。

猫パンチはもちろん、蛇のような顔でシャーと威嚇もされた。

僕は、一生仲良くなれないのではないかと不安に思った。

そこで、本に書いていた通り、こちらからは構わないようにして、

ミーから来た時だけ触れたりするようにした。


三毛猫はなかなかの難易度があるという記事も読んだけど、

猫初心者のボクには特に難易度が高かったんじゃなかろうか。


約1週間が経過し、少しずつミーが心を開いてくれた気がする。


膝の上に乗っかり、ゴロゴロ喉を鳴らしたり、手でフミフミする動作をしてくれるようになった。

猫は機嫌が良い時に喉を鳴らしたり、

母猫を思い出してフミフミ動作をする事があるようだ。

何やら、母猫の乳腺を刺激しておっぱいを飲んでいた頃の名残りなんだとか。

右、左、右、左と交互に僕のお腹を踏んでくるのがこれまた可愛いからいつもミーが満足するまでさせてあげる。


しかし、こちらが仲良くなったと調子に乗って撫ですぎると今度は威嚇されることがある。“愛撫誘発性攻撃行動”というようだ。

撫でる時間が長いとなる事が多いようだが確かな原因まで分からないらしい。

猫の習性みたいなもののようだ。


葬儀から、猫の世話をしているうちに病院に行く事を忘れてしまっていた。

チェックシートも〇が増えてきた。


良い傾向だ。


約束の日を過ぎていたので慌てて僕は先生のもとに向かった。


そうだ、ミーの身体の匂いを嗅ぐととても不思議なクリーミーな香りがする。

僕はその匂いを嗅ぐととてもリラックスする。

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