第2話 女神フィルトの苦悩
神との言い争いの後、ふと、あることを疑問に思った。
(なぁ、俺の友人と言ったら、
省吾とは、
一応、神が相手なのだが、先ほどのみっともない
「あぁ、そのことね…彼は、順応力が
(なるほどねぇ…でも、その順応力が異常なのと、殺すことに、何の
「うるさいわね!これから説明するところなの!それに、私にはフィルトと言う美しい名前があるの!ちゃんと、フィルト様と呼んで!」
(美しいねぇ…フッ。でぇ、ふぃるぅとぉ様ぁ。なぁんで省吾を殺そうとしてぼくがしんでるんですかねぇ?神のはた迷惑な行動に巻き込まれた憐れな子羊に教えてくださいよぉ?)
「あぁ!今鼻で笑ったわね!それに、悪かったってさっき謝ったじゃない!まだ根に持ってるの!?」
(当たり前だろ!殺されて根に持たない奴なんて、よほどの聖人か
「はぁ…もういいわ…。あれだけの順応能力があったら、人以外に転生させても面白いかなと言う思い付きらしいわよ。」
(あぁ?ラノベとかでよくある人外転生ってやつか?しんどそうだな。)
「まぁ、概ねそんな感じね。順応性が高いから、人からかけ離れた形状のアレでも、面白くなりそうだって理由で選ばれたのよ。」
(ははぁん。なるほどねぇ。んじゃあ、俺がここにいる理由は?あいつがターゲットだったんなら、俺はここに居なくてもいいよな?)
「あぁ、それね…それは、うっかり別の人がお
(あぁ…ダメな奴だ…神はこんなのばかりなのか…?)
「だーかーらー。悪かったって言ってるじゃない。それに、一度は神の手で確定させたはずの未来を、ただの人間が改変したんだから、あなたでも転生して上司を満足させられると思うのよ。」
(あー、はいはいそうですね。それで?俺を異世界転生のチーレム無双でもさせてくれるんですかねぇ?)
「お、
(そんなにきついのか?急にやる気なくなってきたわ…。人外転生と言うと、スライムとかゴブリンが思い浮かぶが…。俺の転生先は何なんだ?)
「えぇと…まぁ、それは転生してからのお楽しみと言うことで…。そ、そんなことより、あなたには自動言語翻訳と
(おぉ!マジか!やったぜ!…と言うか、だいぶ
「ギクゥッ!…そ、そんなことあるわけないじゃない…?確かに、上司は面白いもの好きで似たような命令を出すけど、そんな何でもかんでも同じ世界に転生させたら、世界が狂っちゃうじゃない!」
(つまり、他の世界になら転生させた…と?)
「うっ…そ、そうよ!その通りよ!なんか文句あるぅ!?それに、そっちの世界にも何人か送り込んでますがぁ!?だいたい、
(ちょっ…逆ギレすんなって…。と言うか、絶対やめろよ?ほら、なんか飲んで落ち着いて。)
「フゥ…ありがと…ゴメンね。上司からいろいろ言われてストレス感じちゃってね…。あのクソ上司ったら、もし他の人を巻き添えにでもしたらどうするのかって言っても聞かなくてね…グスッそのくせして、ターゲットを他の人に助けられてその人が死んだのを私のせいにするのよ…グスッ…そのうえ、仕方ないから転生予約先だった世界に迷惑かけるのもあれだからって、あなたの魂送り込んで
(そ、そうか…あんたも大変だったんだな…その、悪かったって。何も知らずに責めるようなこと言ってさ…ほら、泣き止めって。ん?ちょっと待て?最後の方の上司、俺の
「グスッ…うちの上司、結構なクズなの…。何人もの人間に求婚して、本妻に叱られたり、
(ん?どっかで聞いたことがあるような無いような…まぁ…気にしちゃ負けだな。)
「そうね…あなたたちの世界では、全知全能とか言われたりしてるわ。」
(…………。)
「このまま転生だと、あなたはあまりにも可哀想よね。と言うわけで、特別に追加特典をあげるわ。」
(あれ?さっき貰ったあれは?)
「あれは、転生者の基本特典よ。他の転生者はみんな持ってるわ。
(へぇ…ない人は苦労しそうだな。それで、追加特典って?)
「まぁ、あなたたちがよく言ってるチート能力?ってやつよ。ちなみに、他の転生者にはあげてないわ。基本特典セットがあれば、たいていは何とかなるもの。でも…あなたの場合は、転生先が
(わ、分かった。ところで、特殊な転生先って…?魔族とか、魔物とか…?)
「あぁ…そうね…魔物…に分類されるわね、一応。それで、追加特典なんだけど、どんなのがいいかしら?大体は行けるわよ。あ、でも、神様を連れていくとか、異性に好かれやすくなるとか、死者を
(へぇ…そうなんだ。なんか、アラビアンな夜の3回擦ると魔人が出てくるランプの話みたいだな…)
「き、気のせいよ。このルールは上位神が集まって決めたものだから、私は知らないわ。」
(ふーん。まぁいいや。それなら、聖剣とか神剣とかがいいかな。)
「そ、そうなの?あなたの転生先だと活用しようがないように思うけど……一応、人型の進化先もあるから、良い…のかしら…?」
(なぁ…さっきからちょくちょく不安になること言ってるが、大丈夫なのか?)
「だ、大丈夫よ!きっとうまくいくわ!他に!剣に対する要望とかはないかしら?」
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