第3話

 激しい揺れが起こり、地面や建築物に亀裂が入り、あらゆるところからの叫び声が絡み合い反響する。その声は獣の唸り声のように、意味を明らかにしない。自らの意思ではなく半ば反射的、といったところなのだろう。自身の心拍数が早くなっていることと、喉の痛みで気付く。

 ――嗚呼、私も悲鳴をあげているうちの1人なのだ、と。

 建築物が崩れていき、やがて私達の所も巻き込んでいった。私の視界はそこで暗転した。

 次に私が目を覚ましたとき、私の上にはたくさんのが乗っていた。その何かは今まで共に勉学を学んできた同級生、友人、教師達の亡骸だった。その中には彼女もいた。

「ねぇ、起きてよ。起きてってば。」

 私は側に倒れている人を揺すり、泣き声にならないようにと努めながら声をかけたが返事はなかった。今まで普通に顔を合わせていた大半の人が倒れ伏していた。

「おい。そこにまだ生きてる奴いるのか。」

 声が聞こえてきた。朧気おぼろげながらも聞いたことのある声だった。

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