第13話〜足ツンツンしないで痛い!
ただいま8時半。夜崎さんと佐賀屋くんは夜のテンションに加えて課題の鬼畜さに頭がおかしくなってしまっている。
「手と脳が追いつかねぇ!ウチはまさに今!ブルドーザーだぁあ!もっと紙寄越しなぁ!どうせ先公読まねぇし肉じゃがの作り方書いとくか!」
「オラッ!グハハッ!グハハハハッ!グハハハハハハッ!じゃあ俺はナポリタン!」
何故か元太の気持ちではなく料理の作り方になっていた。料理の作り方となると素早くシャーペンが動いていた。
「ふっ、ふた、2人とも怖いよ。」
「課題に脳がやられたみたいね、気にしないでやりましょう。」
「そうだね…」
真坂さんはいつも通りといった感じだった。目がキマッていて僕は恐怖を感じた。しかし締切はあしたなので、気にせず取り組む。
「「終わったぁ…」」
4人ともすっかり疲れきって床に寝っ転がった。僕もそりゃ寝っ転がったよ、でも3時間も正座していて、その状態で集中していたのが駄目だった。足が物凄く痛いのだ。
(いっ?!痛い痛い!!これって…!)
うつ伏せなるとまだ痛みはマシだったけど。
「プリン野郎ツンツン〜。」
「いっだぁあああ!!いだいいだいいだい!夜崎さんいっだい!痛い痛いから!」
夜崎さんが僕の足に指でツンツンしてきた。本人は真顔でしてきたので、僕はこの人を悪魔だと思った。いやマジで痛いから。
「正座を3時間もしていたらそうなるよなッ!しかしそなたちゃんは平気なんだなッ?」
「慣れているもの、これぐらいは平気よ。えしす、そんなに騒いでいるとお母さんが来てしまうわ。」
真坂さんの足の耐久性には驚きだ。彼女に欠点はあるんだろうか?そんな事を夜崎さんに足をつつかれながら考えていた。
すると僕の大声を聞いて真坂さんの母ちゃんが部屋に入ってきた。
「賑やかで楽しそうやなぁ。あら、和田巣くん足が痺れてはるん?」
「ひゃい…」
これも多分皮肉かな?それでも怒る気力もないのでふにゃふにゃな返事をしてしまった。
「お義母さんの前だッ!立つんだッ!」
そんな返事に佐賀屋くんは失礼だと思ったのか、痺れている僕を無理やり立たせようとしてだっこされた。
「いっだいって言うとろうが!?もうしばらくは立つのは無理じゃ!」
「いぇあ方言。」
「あらあら、痛そうやなぁ。」
僕はあまりの痛みに暴れてしまって床に落ちた。衝撃はあまりなかったけどそれでもまだ足は痺れたまんまだった。
何故か夜崎さんはロックのポーズをして、首を振っていた。もう僕はこの人が理解できないし、出来たとしても頭がパンクする。
「真坂さんはともかく、君達2人はなんで痺れてないんだよ…」
「ヨガしてた。」
「Lの座り方をしていたッ!これで作業効率アップだなッ!」
どっちもどっちか。
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