第11話〜京都出身の真坂ママによる歓迎
真坂さんの家の前には門があってその中は和風の家で、広い庭もある。庭は立派な松の木に色んな岩もあり、池には鯉も泳いでいる。
(でっかい家じゃ、門も池も庭もあるし金持ちなのかな。)
家の玄関の扉を引いて中に入ると、玄関には着物を来た真坂さんの母ちゃんらしき人がいた。ちょっと似てる。
「ただいま帰りました、お母さん。」
真坂さんは真坂母ちゃんにお辞儀をした。やっぱり真坂さんって良いところのお嬢さんなのね。
「お邪魔しマース。」
「お義母さんどうもッ!ご無沙汰してますッ!お元気ですかッ!」
あとの2人も挨拶した。佐賀屋くんは本気で真坂さんの事が好きなんだろうと思った、娘さん貰う気満々じゃな。
「いつも元気ええねタケナガくん。それにえしすちゃんと…その後ろの子もそなたの友達やろか。」
「あっ、和田巣アツシってい、言います!」
「調子良さそうやねぇ。見た目もシュッとしたはるし、私も見習わなあかんわ。」
真坂母ちゃんは目を細めた。その様子に夜崎さんはギョッとしている、どうしたんだろう。僕もしかして何かやっちゃった?
「お母さん、そろそろ私の友達に皮肉を言うのはやめてください。」
「そんなん言うてへんよ、お母さんはそなたが連れてくる男の子みんなええと思っとるからねぇ、ほんまに。」
というか真坂母ちゃん、関西弁なんだ。地方出身なのかな。
「ほら上がって、時間なくなっちゃうわ。」
4人は靴を脱いで真坂さんに案内をしてもらっている。なんせ、こんなにも広いから迷ってしまいそうだ。
「ねぇねぇ真坂さん。」
「何?お手洗いかしら。」
「違うよ。さ、さっきの皮肉ってどの部分?」
僕は勇気を振り絞って聞いてみた、皮肉って言われても全然気づかなかったからだ。褒められたぐらいしかなかったけどなぁ。
「プリン野郎もビッグ野郎もボロカスに言われてたの気づいてねぇの?」
「分からんッ!」
「ぼ、僕も佐賀屋くんに同意。」
夜崎さんはいつもの顔でうへぇって言った。ポーカーフェイスなのかよく分からない、というか夜崎さん自体謎に包まれてる。
「いつも元気いいね=いつも騒がしい。これはビッグ野郎ね。」
「グハハッ!ぶっちゃけ間違ってないなッ!」
「えっ?!そんな意味で言ってたの?」
「声デッカ、アンタが一番酷いからな。」
夜崎さんは耳を塞いだ。相当佐賀屋くんと僕の声がうるさかったみたいだ。そして…僕が一番酷いって何?!
「ど、どどういう意味?」
「直訳すると「死にかけみてぇだな。見た目もだらしねぇし何しに来たんだコイツ」って意味ですなぁ。」
「俺も同じ意味を初めて来た時に言われたぞッ!大丈夫だアツシッ!」
「ひ、酷いよぉ…」
佐賀屋くんがフォローを入れてくれたけど、初対面のしかも初めて出来た友達の母ちゃんに言われるとは心外だった。
「はぁ…私が男友達を連れてくるといっつも皮肉を言うんだから。」
彼女はため息をついた、もし自分が婚約者を連れてきたらどんな事を言われるのか溜まったもんじゃない。
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