第9話〜辛辣アドバイザー!

「で、何送ればいいんじゃ?ヨーくん。」


今は夕食も食べ終えて、兄弟の部屋でリイン会議を行っている。ヨウに教えてもらうのはしゃくだけどね。


「最初は適当にスタンプ送って「よろちくわ」とか送れば?」

「よろちくわ?おじさんみたいなネーミングセンスだね、はっ!まさか濃難こなんくん的な展開?」

「んなわけねぇだろ、現実を見ろ。」


ヨウ相手だとスラスラ喋ることが出来る。そして彼は2段ベットの上で覗き込むように僕のスマホを見ていた。


「ちょっとヨーくん麻酔銃付きの時計見せてよ、あと麻酔の痕も。」

「もーめんどいって兄者、てかなんで自分にうってるんだよ。」

「危ないお薬と同じ扱いしとるんじゃな。」

「███?それは鼻から吸って鼻炎。」

「ばかばかばか!そのネタはダメだってば!」


弟はガチで危ないネタを出してきた、僕が規制してなかったら…夜中にグラサンかけた大きな人に連れてかれる。


そして送ったのは「よろしくね」とスタンプで、流石に家族以外では冗談は言えない。


「わぁ…すごいドキドキする、早く既読つかないかな。」

「そういやどんなスタンプ送ったの?」


スタンプとは「よろし区役所!」というよく分からない無料スタンプを送った、可愛い。


「兄者らしい兄者クオリティで安心した。」

「何が言いたいんじゃお前。って、返信来た来た!な、なんて送ればいい?!」


心臓の鼓動が全身に響き渡っているみたいだった。真坂さんは意外にも返信が早いタイプだった、遅いタイプかなって勝手ながらに思ってました。


「えっと「こちらこそよろしくお願いします、真坂そなたと申します。」だってさ、堅苦しい友達だな。」


ヨーくんはちょっと引いていた。なんだよ、真面目でいいじゃないか。


「な、なんて送ればいいの?ヨーくん先生!」

「知らん、そろそろお風呂入ってくるからバイバイ。」


僕の頼みは無視して、ヨーくんはベットから飛び降りて部屋を出てしまった。この冷たさは誰に似たのかな?


(こういう時にヨーくんは突き放してくるんだよね、悲しいな。)


と、とりあえずよろしくねってまた送ればいいのかな?3回もよろしくねって送るのはやっぱりおかしいよね。


真坂さんから返信がまた来た。


「明日、あの課題を私の家でやりませんか?原稿用紙も用意しております。そして、行く時刻が5時半となりますが大丈夫でしょうか。」


これって…友達(仮)の家に遊びに行くというって事?遊びではないけどは、はは、初めて誘われた!この僕がっ!?


「絶対に行きます、行かせてください。」と返信しておいた。


その後、しばらくはヨーくんに自慢した。

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