10
あおい世界にいました。
かぽ、かぽかぽ
わたしの口からは銀色のあわが零れていきます。
それはまるでガラス玉のようでした。
かぽ、かぽかぽ
3つのすばらしく綺麗なガラス玉は、
寄り添いあってゆっくり上へと昇っていきました。
それはまるで美しいイラチのようでした。
独りのにんぎょは暗がりに塞ぎ込んで、
また思い出を忘れて、あおい世界をたゆたいました。
かぽぽ、かぽかぽ、ぽぽぽぽぽ、
あおい世界はゆらめきます。
がごー、ごうごー、どぐぶぶぶ、
そこはさかながおよぎます。
さや、さやさや、がぼぼぼぼ、
独りのにんぎょは恋をした。
ぽぽぽら、ぽぽら、ぽぽぽぽら、
それはうたが好きだった。
がごう、ごうごう、がー、がー、
底はウミユリゆれている。
こぷん、ゆら、ゆらゆらゆら
独りのにぎんょは、今もたゆたい続けています。
にぎんょ 花森ちと @kukka_woods
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