二話目 ヒーロー志望の女子高生
「はい!風野先生!!」
「どうした燈矢さん。授業では手を挙げないのに補講で手を挙げたりして」
「先生。私……」
「どうした。早く言いなさい。先生も暇じゃないんですよ」
「私、ヒーローになりたいです」
「……進路相談の担当は僕ではないですよ?」
「私は平和のために正義を振りかざすヒーローになりたいのです!」
「人の話はちゃんと聞きましょう。それと、今の時代にヒーローなんて冗談を言うのもやめましょう」
「先生少し冷たくないですか?室温なら二十三度と過ごしやすい程度ですよ?」
「そうですね、僕にとっては少し暑い気もしますけど。それと、私の反応はまだ暖かいほうだと思っていました」
「え?そうなんですか?」
「どこに疑問を持っているんですか?僕はヒーローになりたいという生徒の人生観について疑問を持っていますけど」
「いや、先生の対応が暖かいと言うのであればおそらく保健室の先生の対応はカイロと間違えてしまうほどだと思いまして」
「そうですか」
「このままでは疑問が残ったままになるので少し保健室の先生に会ってきます!!」
「はい、そうですか。とは行きませんよ。それで補講をサボろうとしてるのはもう気がついてますからね」
「ちっ、ダメですか。今回は割と上手くごまかせたと思ったんですけどね」
「そうですね。先生もその手が五回目でなければ引っかかっていたかもしれませんね」
「はい!先生!!」
「なんですか燈矢さん」
「帰りたいです!!」
「なら、その課題を終わらせて提出してからにしてください」
終
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