勇者
「その異世界人パーティーのリーダーは、名を『ヤソラ タツ』と言うらしい。こいつはお前も知っていると思うが、第三皇女であるリーシャ様の婚約者だ。存命のなかで、聖光属性の魔法が使える事が確認されている唯一の人物であり、『勇者』とも呼ばれている。そしてイケメンらしく評判も良い。そいつのパーティーを『勇者パーティー』と言う事もあるそうだ。」
「勇者……それだけ世界の期待を背負ってるんだろうなぁ。色々と大変そうだ。」
「だろうな。それだけに、今回の火龍討伐の失敗はかなり響いているだろうよ。本当に、人材獲得に躍起になってるかもしれない。」
「十分にありうるな。それで、他には?」
「その勇者の側近……つまり勇者パーティーの副リーダーを務めているのは二人。一人は『クラキ カゲフミ』と言い、存命の中で、常闇属性の魔法が使える事が確認されている唯一の人物だ。こいつは顔を仮面で隠しているらしい。俺は見たこと無いがな。」
「素顔は一部の人のみが知ってるって事か。なんか謎にみちてる奴だな……というか全員が全員謎と言えば謎であるんだが……」
「まあ、公開されてるのはここまでだから謎っちゃ謎だな。そしてもう一人の副リーダーである、『トキ ミライ』。存命の中で時属性の魔法が使える事が確認されている唯一の人物であり、パーティーのトップ3の中で、ただ一人の女性。」
「なんかそんなに凄そうな奴等だったら火龍も倒せたと思うが……。」
「俺もそう思ったが、討伐出来てないってのが事実だ。何かあったんだろうよ……」
「その何かがわからないだよな……そう言えば、彼らの年齢はどれくらいなんだ?」
「15から18くらいだな。これは彼らが申告した数字だ。そして見た目から判断しても、大体あってると思う。」
「そうだとすると、彼らは高校生くらいって事か……なんか俺が知ってる転移者の大半が未成年なんだが……」
「まあ、未成年をかなり多めに入れた編成でこっちに送り込んだ可能性が高いな。まあ、全員が全員未成年では無いが……何せここに大人いるし。」
「未成年であることのメリットか……こっちの世界で長く暮らせるから……とか?」
「ん? どういう事だ?」
「大人と未成年であれば未成年の方が、残りの寿命が長いから、未成年を多めにした編成にしたんじゃないかってな。まあ、例外もあるだろうが……。」
「確かにそれはあり得そうだな。長く生きてたくさんレベルを上げてもっと強くなって、邪神を倒して欲しい……って神は思って俺達を送り込んだのかもしれないな……。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます