精算とフラグ
「おおソウタ!良くぞ帰ってきてくれた!」
冒険者ギルドへ戻ると、入り口でガレアスさんが笑顔で俺を迎えてくれた。長かった。ようやく帰ってこれた……日帰りだけど。
いつもの部屋で二人きりになると、
「そういえばソウタ。その防具はどうした?あっちで見つけてきたのか?」
「そうだ。性能が結構良かったから、このまま使うことにするつもりだ……早速精算してくれ。」
「おう!………………君ずいぶん暴れたな。ゴブリン3394体、ホブゴブリン852体、ゴブリン戦士246体、ゴブリンマジシャン23体、ゴブリンシャーマン15体、ゴブリンアーチャー26体、ゴブリンナイト15体、そして、ゴブリンキング1体の、合計で、4572体の討伐。報酬がゴブリン鉄貨3394枚、ボブゴブリン鉄貨2556枚、ゴブリン戦士銅貨492枚、ゴブリンマジシャン銅貨46枚、ゴブリンシャーマン銅貨30枚、ゴブリンアーチャー銅貨52枚、ゴブリンナイト銅貨75枚、ゴブリンキング大金貨1枚の、計……大金貨2枚、金貨2枚、銀貨9枚。さらに群衆討伐ボーナスで…………」
長いな。というか、俺そんなに倒してたんだな。確かに多かった覚えはあるが、まさかここまでとは。そしてそれだけのゴブリンが町のすぐ北の森にいたなんて、鳥肌がたつ。
「終わったぞ……あー疲れた。君の報酬は、大金貨5枚と金貨8枚だ。この場で受け取るか?」
ガレアスさんの顔が若干げっそりしているように見える。お疲れ様です。
「いや、今はまだ受け取らない。」
「わかった。ああそれと、この件は数が数だから、王都の本部に行って上の方にも報告しないといけないんだが、君の名前は非公開にしておいた方がいいか?」
「非公開に出来るのか?」
「勲章や褒章や昇級モノにならなければ、多分。だが、冒険者証の魔物討伐記録は、絶対に偽造できないと信頼されているから、誰も君の記録を疑わないだろう。そうなる可能性はかなり高い。」
ガレアスさんが言う。若干嬉しそうなのは気のせいだろうか。
「まあ、しないよりはましだ。非公開にしてくれ。」
「わかった。そうしておく。」
「ああそうだ。この冒険者証に金を預けることは可能か?出来るならこれを預けたいんだが。」
俺が指を差した、金が浮かんでいる水の塊を見て、彼は凍り付いた。
「…………………………」
「もしもーし。聞こえてる?」
「………………聞こえてる……」
「預けるの出来る?」
「…………出来る……」
「じゃあよろしく。」
「……ああ。」
ガレアスさんがバランスを崩したと思うと、彼はギリギリのタイミングで足を踏み出してバランスを保った。それから椅子にどかっと座って、
「わかった……まずは金を取り出すところからだ。手伝ってくれるよな?」
「もちろん!」
金を浮かせていた水を消すと、気持ちのよい音が鳴った。
「じゃあ、数えるぞ。」
「了解。」
────
──新たに大金貨24枚と金貨3枚が増えた。大金貨は10枚で黒曜貨1枚に交換できるらしい。どんな色してるんだろう……
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