向こうの世界へ

 水を出し続けた結果、階段のところまで水が来ていた。どうやら下は水没したようだ。


「鑑定。」


タキガワ ソウタ (18)

ヒューマン Lv2531

性別 ♂

ステータス

体力 50700/50700 (38040up)

魔力 94306/94306 (78218up)

筋力 50700 (38040up)

敏捷 50700 (38040up)

防御 50700 (38040up)


スキル 水魔法 Lv10 鑑定 Lv10


 やはり『水魔法』をめちゃくちゃ使っていたからか、魔力が六桁に届きそうな勢いだ。


 そして、なんと俺は知らぬ間に18歳にな

っていた。


 えっ?じゃあ俺半年もダンジョンの中にいるってことか?多分そういうことだよな。

マジか……。


「出るか。ここから。」


 確かにここにずっと籠っていれば、レベルが上がるし安全だ。


 でも行ってみたい。向こうの世界へ行ってみたい。楽しく長く生きたい。早死には嫌だけど、行きたい。


 でもまだ、やることがある。 今まで手をつけていなかった、水質変化。


「水魔法。」


 そして、ステータスの魔力の数値だけ表示させる。


魔力 53824/94306


 今度はゲージが回復していくようなイメージを思い浮かべて、


「水魔法。」


 そして、手のひらに浮かんだ、直径二センチくらいの丸い水のボールに口をつけ、一気に吸い込んだ。


 すぐさまステータスの魔力の数値を見る。


魔力 94306/94306


「やった!」


 回復薬が自作できるのは大きい。

もうこれを売りさばくだけで生活できるんじゃないか?


……いや、誰かに襲われるに決まってる。


 人前ではあまり出さないようにしよう。


 さて、もうすることは特になくなっただろうか。さっき風呂も入ったし。

……無いな。


 向こうにはどんな景色が広がっているだろうか。


「もしかしたら、先にあっちに行った人たちが、もうすでに邪神を倒してるかもしれないな。まあさすがにそれはないか。まだ半年しかたっていないんだし。」


 独り言を呟く。

 そろそろ行こうか。向こうの世界へ。

 願掛けに青い泉の水を一口飲んだ。

 そして、心の中で、

(滝川宗田、チュートリアルダンジョンを出て、向こうの世界へ、行きます!)

 俺は意識を失った。

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