第8話 夏休み

 それから数日、二人は一緒に登下校をしていたお陰か二人の距離はだんだん縮まっていった。二人ともいつまでも友達という関係じゃダメだと分かっていながらも告白を切り出すのが怖くて悩んでいた。


 夏休みに入る前のこと…夏休みの補修をかけたテストが始まろうとしていた。悠斗もこころもそれなりに成績はよい方だったので二人とも補修は回避することが出来た。そして全生徒が待ち望んだ夏休みが始まる。


 終業式が終わりいつも通り悠斗はこころと一緒に帰っていた。「なぁこころ…」俺は彼女に呼び掛ける。「どうしたの?」俺は覚悟を決め彼女と遊びに行く約束をつけることにした。どこに行くかはまだ決まっていない、でもこころとどこかに遊びに行きたいのは事実だ。「夏休みのいつかどこか遊びに行かない?」と俺は聞いた。するとこころは「うん。悠斗と遊びに行けるの楽しみにしてる//」と微笑みながら答えた。そして俺達は夏休みに遊ぶことになった。


 どこに行こうかと俺が悩んでいるとこころからメッセージが届いた。「遊園地に行きたいんだけど、どうかな?」偶然俺も遊園地がいいなと思っていたところだったので「俺も遊園地に誘おうかなって思ってたところ。」と返事し、ふたりで遊園地に行くことになった。


 夏休みの予定もある程度決まったところで毎年恒例の夏休み恋愛相談が俺のもとに舞い込んできた。まず一件目は「夏休み彼女を遊びに誘いたいのだがどうすればいいのか分からない。」といった相談だった。もちろんこの質問はすぐに答えることが出来た。「直接会える時、話が出来る時にどこか遊びに行かないか?と聞けば良いと思う。」俺はそう答え、次の相談に目を通すのであった。


 帰り道、悠斗が夏休みに遊びに行こうと誘ってくれた。夏休みも彼と一緒にいられると思うととても嬉しくなった。私は遊園地に誘おうと思っている。そして観覧車の中でロマンチックな告白を…なんて考えてしまっている。それにここ数年遊園地には出向いていない。久しぶりに遊びに行きたくなったという理由もある。「早く遊びに行く日にならないかな…」そう思いながら私は彼のことを想うのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る