第6話 帰り道

 こころと一緒に帰ることになった俺は昇降口で彼女を待っていた。「悠斗?」ふと声のした方に振り返る。声の主は俺が待っていた張本人白雪こころだった。「待った?」と、彼女が聞いてきた。「ん~ん今来たとこ。」と微笑みながら答え、彼女と一緒に帰るのであった。


「今日は承諾してくれてありがとう。」正直に言うと星夜には感謝していたりする。今まで一緒に帰ることは何度かあったが、高校に入ってからはまだ一度も一緒に帰ったことがなかった。「私こそ今日は誘ってくれてありがとね。久しぶりに一緒に帰れて嬉しい。」と、こころは少し顔を赤らめながら俺に言ってきた。「そう言ってくれて俺も嬉しいよ。」と、俺も少しだけ顔を赤くして答えた。それから少しの間沈黙がありその沈黙に耐えられなかったのかこころが「き…今日良い天気だね。」そして俺は「そうらね。晴れててよかった。」あっやべ噛んだ…。どうしよ…恥ずかしい…。


 どうしよ沈黙に耐えられなくて変なこと言っちゃった/// 悠斗噛んでたの可愛かった~。急に一緒に帰ろうって言われたからどうなるかと思ったけど何ともなくて良かった。と内心安堵するこころ。「ねぇ?悠斗好きな人って居る?」私は彼に好きな人が居るのか聞きたくなってしまった。すると悠斗は「うん。(目の前に)居るよ。」と顔を赤くしながら答えた。私はその答えに「そっか~ 悠斗の好きな人か~可愛いんだろうな~」と思わず答えてしまった。できることなら名前は聞きたくない。自分じゃない人間の名前が出てきた時どうすればよいか分からないからだ。「そういうこころは好きな人居ないの?」と彼は聞いてきた。私は少し悩んだ後「…うん。居るよ。」と彼と同じ答えを返すのであった。

 二人とも両思いだということは知らずに…。


 そこまで話したところで俺の家についた。こころ家はここからすぐのところにある。「家までついていこうか?」と、俺は聞いたが「大丈夫だよ。すぐそこだし。」こころはそう答え、俺は「そっか。じゃあまた明日学校で。」と微笑みながら言うのであった。するとこころも「うん。またね。……」と世界一可愛い笑みを見せ帰っていった。「最後の方何て言ってたんだろ…聞き取れなかったな。」俺の心臓はまだバクバクしている。こころと一緒に帰れてよかった。そうお思いながら少しだけ眠りについた。

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