第2話 自称恋愛マスター(2)

 俺が恋愛マスターを自負している理由、それは…  俺は昔から色々な相談を受けていてその延長で今も恋愛相談を受けているからである。


年間通して多くの相談が来るため俺は恋愛マスターを名乗るようにしたのだが…


 実を言うと俺は一度も付き合ったことがない。


そう、相談は受けているのに誰とも付き合ったことがないのだ。


別に気になる人が居ないというわけではない。


が、その人に嫌われるのが怖くて、そういった話を持ち出すことができない。


要するにヘタレなのだ…


 この話はここで終わろう。考えていて悲しくなってしまった。


 話を戻すと、一組のカップルを助けたんだったな。まぁこれで終わってくれればいいんだが…。


 俺の願いは届かずまたスマホの通知音が鳴った。


メッセージを確認する。


次の相談者は…っと同じ学年の男子からの相談だった。メッセージの内容は…「今から近くの飲食店で話せないか?昼ごはんは奢る。」とのことだった。


家から出たくはなかったが仕方ない。


とりあえず「分かった。今から準備して行くから待っててくれ。」と返事して身支度を済ませ家を出た。


 飲食店に入ると今回の相談者が手を振って俺に場所を知らせた。


「お待たせ。んで、話って何だ?」俺がそう言うと、彼は「気になる人がいるんだけど、どうやって声をかければいいか分からないんだ。


何かいい方法はないか?」と聞いてきた。


正直、相談のなかでこの手の質問が一番苦手だ。


何せ俺自身未だに声をかけることが出来ていない相手がいるからだ。


しかし、相手の質問に答えないわけにもいかないので俺は、「定番なのは放課後とかに好きな子を教室とかに呼び出して、 君のことが前から気になってました。君と話していくうちに好きになって一緒に居たいと思うようになった。俺と付き合ってください。


って言ってみるのはどうだ?」すると彼は納得したように俺に飯を奢って「実践してみる」と言い帰っていった。

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