ロンリーハート (7)
(このさい、あの子も連れてくか。鎌倉に)
アントワーヌが思い浮かべているのは、仔猫のようにまるまってすぴーと寝ているアリアの姿だ。
(ここ(醍醐寺)に一人で置いてくわけにはいかないしな)
(そうだ、静ちゃんと鎌倉殿。
仲よくならないかな。女の子どうし。
鎌倉殿も寂しくなくなるし、静ちゃんも落ちついて、もしかして治るかもしれない……
なんてね。無理か。ムシがよすぎるか、はは)
いやいや!
無理どころか名案だぞ、アントワーヌ! どうした、なんか今日冴えてるじゃないか。
カミーユとアリアはすでに会っていて、しかもお互いにドキドキの好意を抱いているのだ(『ダブルダブル』巻一第二章「愛されたいの」(9)および(10)を参照)。
おお、ときめきの予感。(何言ってる)
読者諸君も心されたい。
運命の分岐点というものは、
あんがいこういう、何でもない、空気さえそよとも動いてない平凡な昼下がりにあったりするものだ。
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