第3話 妹は悲劇のヒロイン気取りのようです。 貴女は世界一不幸な悲劇のヒロインだとでも思ってるんですか

 「なんで私が貴女を助けないといけないのかしら。馬鹿な貴女に説明できるかしら。してみせてよ。

できなければこのままここで永遠に飢餓を味わう事になるわよ」

 妹にはぬるすぎる罰ですが、私は優しいのでこんなぬるい罰にしてあげるのです。

それなのに妹は不満げで悲劇のヒロイン気取りで被害者ぶっているのです。

妹はいつもそうです。

いつでも自分が世界1かわいそうな悲劇のヒロインで被害者気取り。

貴女は加害者ですよ。

何故いつも被害者気取りなのですか。

治してほしいと思っていましたが、治らなかったようですね。

まぁ、もう今となってはどうでもいいのですが。

その瓶の中で永遠に悲劇のヒロインをやってればいいわ。

 「こんな事して犯罪よお姉様。今出してくれたらこの事は誰にも言わないわ」

 はー、やれやれ馬鹿ですねぇ妹は。

 「私は今までの生命で最も不幸な存在ですから、これぐらいの事では罪にならないのです」

 もー、馬鹿と話すのは疲れるし面倒臭いです。

なんでこんな当たり前の事を一々教えてあげないといけないのでしょうか。

私は妹の家庭教師ではありませんっ!

 「なるわよ、罪に」

 妹は助かりたいから己を正当化し嘘を吐きます。

なりませんよ。

私はなんの罪も犯していないのですから。

そこまでして助かりたいのでしょうか。

馬鹿って問題が起きてからなんとかしようと考えるんですよね。

私は問題が起きないように行動するのですが、妹のような馬鹿は問題か起きてからなんとかしようとするのです。

それではもう遅いのです。

 「ならないわよ。まぁ貴女の望み通り罪になるという前提にしてあげましょう。

それで、誰が貴女を瓶の中に閉じ込めていると気づくのかしら」

 気づくわけありません。

 「お父様お母様は私がいなくなったら私の事を探すわ」

 「探しませんよ。まさか、貴女お父様お母様に愛されているとでも思っているのかしら」

 気持ち悪いデブですねぇ。よくそんなに都合よく自分が愛されていると勘違いできますね。

 まぁ、そんな風に都合のいい勘違いでもしなければ死にたくなってとうに死んでるでしょうからね。

そうやって自分が愛されていると都合よく考えて現実を認めず生きてきたのですね。

現実を認めるという事は死ぬと言う事ですからね。

弱い妹が生きるには事実を認めず都合のいい妄想に逃げる必要があったのでしょうね。

それなら、シュノール男爵家令嬢としての仕事をするなり痩せるなり勉強なり訓練するなりすればいいのに。

それが出来ないのに何故生きてるのでしょうか。

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