第15話 犯人は⁉︎
多分、いや、きっとそうだ。
犯人らの男の方は、俺の親父だ。
なんで、実の息子を誘拐する必要があるのだろう?
そう思っていると、女の方もわかった。
親父の周りにいて、かつ仲が良い女の人は、
母か麗子先生あたりで、女性にしては身長が高そうなことから、
麗子先生だろう。
この2人が組んで、わざわざ部活中の俺を誘拐する必要があるとすれば、怜や俐生の実力を計りたいってところだろう。
そんなことに、俺は巻き込まれてしまったのだ...。
それにここまでする必要があるのかも疑問に思う。
怜、俐生、綾先輩、早く助けてくださ〜い。
手紙を開くと、手紙には、
『佑月を返して欲しかったら、推理で誘拐せれている場所を、探してみよ。』
と書かれていた。
そしてご丁寧に地図まで入っていて、誘拐されている場所の範囲を、指定までしてきてくれている。
高校から半径5kmが範囲でそのどこかに、
誘拐されているらしい。
それを見て、3人で考えていると、
俐生がその静寂を破った。
「犯人は、わざわざ『佑月』と書いています。」
「「確かに。」」
「つまり犯人は身近な人なのでは?」
「そう考えると、後輩君の父親が、怪しいな。
電話の時の少し前から、姿がみえなかったからな。」
「え〜と、つまりこれは、私と俐生を試すために、佑月くんの父親が佑月くんを誘拐したってことでいいね。」
驚くべきことに3人は、いとも簡単に答えに辿り着き、そして犯人の目的まで当ててしまったのだ。
「そうすると、後輩君の居場所は...」
と綾先輩が言いかけた時に電話が、
また鳴ったのだ
3人は電話に近づき、綾先輩が私たちに
顔を見合わせてから、電話をスピーカーにし出る。
『やぁ、そろそろ困ってヒントが欲しい頃だと思って。』
そう聞いてきたのを遮って、3人は応える。
「あなたが、佑月君のお父様だってことは、
分かりました。」
「そして、あんたが私たちを試そうとしていたのもな!」
「最後に、今うちらが通ってる学校にいるよね?チャイムが鳴っちゃっているし。
ってことは、佑月くんは学校にいるってことだよね?
どうですか?私と俐生と綾先輩の推理は。」
『いやはや、ここまでとは...。
そうです、正解です。私は佑月の父です。
今いるのは校舎内の倉庫です。
早く助けに来てくださいね。
さっきから佑月も、私の目的が分かったらしく、不貞腐れてますから。」
と言ってきた、ところで電話が切れた。
3人はすぐに支度し自分達が通う学校へ、
早足で向かっていく。
倉庫に着くと、手脚を縛られ、口を塞がれている佑月くんがいた。
近くには、お父様らしき人と、麗子先生もいた。この2人が面白がってやってきたのだと思うと、なぜか納得してしまった。
俺は、目の前にいる3人に、早く縄を解いてもらおうと待っていると、
俺はなんで、美少女の3人に助けられているのだろうという考えがよぎる。
普通こういうのは、俺がカッコよく助け出す側なのに、
今回は助けられている側だと思っていると、
俺って頼りないなだと、
目が少し潤んだ。
そしたら、俺以外の5人は揃って、スマホを取り出し、俺を撮り出す。
バシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャ。
そんなことより、早く助けてくれ〜。
俺は声に出せない、そんな声を出す。
そんな、願いが叶うのは、結局、
5人が満足して写真を撮り終えてからだった。
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この事件は、佑月くんの父親と麗子先生の、グルでの犯行でした。
推理力を試そうと、実の息子を誘拐しますかね?
まぁ、可愛いから仕方がないのでしょうか?
罪深いですね〜。
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