君の願いを描きたい。

はなこそ

卒業

カチャッ玲央は布団から手を伸ばしてアラームを止めた。


ゆっくりとベットから出てカーテンをあける。

シャワーを浴びピシッと伸びたカッターシャツを着て洗面台の前にたった。


いつもと変わらない朝だが今日は少し表情が強ばっている。


そう今日は卒業式だ!


少し早めに起き髪をセットして卒業の準備をした、今日はいつもより気合いが入っている。


「ねーちゃん髪いい感じ?」


「うんいい感じだよ。それより早く行きな蒼羽ちゃん待ってるよ」


玲央は小走りで玄関に向かい靴を履いた。


勢いよくドアを開けるとともに外の日差しが玄関いっぱいに入り込んでくる。


「ごめんごめん待たせちゃった」


「いいよこんなのも慣れっこだしね」


そうだもうこんなのも最後になるのか玲央は蒼羽を横目で見て言った。


「なぁ絵はいつまで続けるんだ?」


「そんなの、死ぬまで続けるに決まってるでしょ!」


玲央はふーんと自分で聞いておきながら聞き流した。


「そんな分かりきったこと聞かないで、玲央はいつ再開するの?」


「俺はもう絵は描かないよ、というか描けないんだ、、」


その後もいつもと変わらず会話をしながら歩いて学校に着いた。


教室の前に立ち制服を整えた。


深く深呼吸して教室のドアを開けた。


「おはよー!」


いつも通りの皆んなだ。


玲央と蒼羽はギリギリだったみたいで話をかけられる2人の後ろから先生の声が聞こえた。


「じゃあみんな座って〜」


先生の声と同時にみんなが席に座り出した。


教卓の前にたった先生は気持ちを落ち着かせてから言った。


「はい!じゃあ今日が最後のHRになります」


最後のHRが始まった思い返すと人生が楽しいと感じたのは高校生になってやっとだったな


蒼羽はやっぱり絵が好なんだな、まぁ俺もかつては絵を描いていたんだけど、、、


玲央はぼーっとしながら昔のことを思い返していた。



「蒼羽のことずっと好きだった小さい時からずっとだから俺と付き合ってほしい!」


高校1年の夏、幼なじみの蒼羽に告白した。


「うん!よろしくね!」


あぁ、、良かった、、ほんとに良かった。


二つ返事で承諾してくれた蒼羽だか


最初は兄弟の様だった、中学生に上がってから1人の女性と見るようになって


次第に蒼羽が他の男子と話してると嫉妬もするようになった


蒼羽と付き合えたとき心の底から安心した


玲央は涙を流し座り込んだ。


蒼羽は玲央に近寄って肩に手を置いて言った。


「明日からまたよろしくね」


まぁこんな感じによくあるシチュエーションで告白したけど、付き合っても関係はやっぱり仲良しな友達みたいでそれに悩んだりしてさ、今思うとしょうもないよな


なんてことを考えているとHRが終わっていた。


「じゃあみんな今から体育館に移動するから並んでくださーい」


俺と蒼羽は晴れて高校卒業した。


長ようで短い3年間だったな


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君の願いを描きたい。 はなこそ @shuichi51577guku

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