第2話 発端

宮島のやつ、流石に急に断るのは刺さったかな…

興味本位とはいえ雨女なんて冗談話に熱狂している自分が恥ずかしくなってきた。


……。いや、考えるのは止めよう。どうせ真意は嘘で終わるんだ。

俺はトイレに駆け込み、スマホで「東京降水事件」について書いてあるサイトを探った。

「雨が降り始めたのはいつからだ…?」

サイト内を探していると、こんな書き込みを見つけた。


2067年 6月18日 午後0時

観測史上初の突然の豪雨が東京に降り始めた。

街の人々は自宅に避難するよう要請が出るほどだった。

しかし問題が発生したのは、後日19日の午後11時

あれから雨が止むことはなくなっていた。

降水量などは下がったが、1日経っても止む気配がないのだ。

そしてそれからの東京は太陽を見せることなく、雨雲の下で雨に降られ続くのであった。


昔親から聞いた話と同じだ。

あの日あの時間から、東京一体は雨が降り続けている。

しかし、やはり雨女がいるなどのような書き込みはなかった。やっぱり雨女なんてでっち上げなんだ。

俺は少しがっかりしてトイレから出る。下校時間もあって廊下は誰もいなかった。


「はぁ、やっぱり付き合っといた方がよかっ…」

俺が正面玄関から出ようとした時、そこに誰かが立っていた。

相手もこちらに気づいてこちらに振り向く。

「「あ、」」

例の雨女だった。俺は咄嗟に声をかけた

「君は、、雨女?」

「はぁ?なにそれ!初対面の人に失礼ですね!」

「いや違うんだ!みんなが君のこと…雨女だって、、」

「…、あぁ。やっぱりみんな言ってるんだ」

「き、気づいてたの?」

「当たり前よ。私、地獄耳だし」

俺は雨女のことについて気になり、彼女に質問した


「な、なぁ。みんな君を雨女って言うけど、あれほんとなのか…?」

…。

「そんな訳ないでしょ。私の名前が『雨音』ってだけだからなんだよ。きっと、」

「えっ、雨音さん…、って言うの?」

「うん。私は雨音心。そう言えば名前聞いてなかったね。君は?」

「俺は、、潤宮晴輝…。」

「へぇー。かわいい苗字だね笑」

「は!?う、うるさいな…。」

「えへへ〜。よろしくねはるきくん♡笑」

屈辱感を感じたが、こいつが雨女じゃないならもう話は済んだし、関わることもないだろう。

「俺は、、ただみんなが言う雨女が気になっただけで…、」


「…。

やっぱり、君なら本当のこと、言っていいかな」

「…え?」


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雨音の鳴る夜空が空ける あめたま☔ @Amedama_0521

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