雨音の鳴る夜空が空ける

あめたま☔

第1話 遭遇

2083年 6月下旬

東京の世界はいつからか太陽が無くなった。

2060年代後半から日本の降水量が急激に増加し、今の、特に東京は雨雲で包まれている。

70年ほど前は、この地球の温暖化が進んで問題になっていたが、今や世界から温かさが失われてきている。

皆はこの状況を拒んでいる。晴れを望んでいた。


彼女を除いて、、、



「なぁなぁ、聞いたか?」

「何をだ? あ、“ 雨女”の噂か?」

「そうそう!噂が本当なら迷惑だよなーwなんで雨なんか降らせるんですかーっつって。ww」

「……、まぁ、そうだな。」

南桜坂高校には生徒内でとある噂が広がっていた

このいつまでも降り続ける雨の原因、言わゆる雨女が、この学校にいると言うのだ。

「…、馬鹿馬鹿しい…。」

「ん?なんか言った?」

「え?あ、いや、なんでもない。」

「、、。まいいや、晴輝今日コンビニ付き合ってくれよ!少年ジャ○プの新刊号でたからさ!」

「あ、おぉ、わかっ…」

ガラガラッ、

突然力強く教室のドアが開いた。そこには一人の女の子が立っていた。

「失礼します!!!頼まれていたプリントを渡しに来ました!!!」

小柄な慎重に合わない大きな声で叫ぶ。

「でた……。」

皆がヒソヒソと彼女を見つめながら話している。

「…?なぁ、あの子だれ?」

「あ?知らなかったのか?あいつが噂の雨女だよ。」

「えっ、?」

あの子が雨女?小柄な見た目で明るく振舞っているあの子が?むしろ晴れ女に見える…。

「失礼しました!!!!」

「あっ…!」

声をかけようとしたが既に出ていってしまった。

「……。なんであの子が雨女なんだ…?」

不意に尋ねた。

「噂によれば、D組の奈々美さんが窓から外を見てたら、あいつが校庭の真ん中に突っ立ってて、そしたら突然大雨が降ってきたらしい。それで、」

「それだけで?」

「それだけで。」

俺はその子が気になってしょうがなかった。

雨を降らせる雨女がこの地球を変えたのか?そんな訳ない…。

「すまん宮島!今日ジャ○プ付き合えねぇ!1人で買ってきてくれ!」

「えっ、!お、おぅ…」


興味が湧いたんだ。

本心から雨女の正体を。

でも、俺とあいつの出会いが

世界を巻き込むだなんて、考えもしてなかった。



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