第2話 西蓮寺家の日常2 世話好きの姉は好きですか?

朝稽古を終えて、シャワーで汗を流し、テキパキ身支度を整える響。

(まったく、だらしないったら・・・・)

髪を整えながら、鏡に映る自分に向かって呟く。

「いつから、あんな風になってしまったんでしょうか・・・?」

響の最近の悩みは将の事だ。

昔は、というか中学生の頃はもっと真剣に稽古をしていたし、日々の生活も今程だらしなくはなかった。

響より自主稽古の時間も長かった。家族が毎日止めに行くほどに。

「はぁー。何とかしないとですね」

ため息をつきつつ、決意する。

(以前ほどではないにしろ、もう少し真面目に稽古させないと。何かきっかけがあれば良いのですが・・・)

制服も着て支度を終え、部屋を出る響。

ガチャ。

正面の部屋から将が出てきた。

「将、何ですか、その髪は。ボサボサではないですか」

「シャワーは浴びたし、髪も洗ってあるよ」

まったく、悪びれず言う将。

「そういう事ではなく、きちんと髪をとかして下さい」

見かねて、カバンからブラシを取り出してとかしだす響。

「良いよ、このままで。めんどくさい」

「直ぐすみます。動かないでください」

髪は響ほど艶やかは無いが、整えやすい髪質の為すぐに終わった。

「はい、終わりました。めんどうがらずに、これくらいは自分でして下さいね」

「わかったから。朝から小言はやめてよ」

「自業自得です」

うんざりしながら言う将と、呆れ顔の響。

すると、将の隣部屋から茜が出てきてニッコリ言い放つ。

「朝から仲良いね~、二人とも」


「良くない(です)!」


しっかり息が合いながら、反論する二人。


「そっかな?」

そんな二人を見ながら、コテンと首をかしげる茜だった。

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