第85話 ハーレムサマータイム!

 僕らはそれぞれの夢に向かって、着実に進んで行く。


 まだ、模索中のところはあるだろうけど。


 ずっと、一緒にいなくても、心はちゃんと繋がっていて。


 それぞれが、それぞれのやることを、ちゃんと積み重ねて。


 そして、訪れた、高校生活、最後の夏。


「海だああああああぁ~!」


 響き渡る。


「もう、ゆかりちゃんってば、すごく大きい声だよぉ~。胸に大きさでは、わたしの方が上だけど」


「こら、まほろん。いちいちマウントを取らないでよ~!」


「じゃあ、どっちのおっぱいの方がすごいか、対決しちゃう?」


「良いよ~? おっぱいの運動性能なら、あたしの方が上なんだから!」


 と、意気込むけど、


「「やめなさい」」


 2人ともそれぞれ、頭をゴチンと叩かれる。


「「あいた~!」」


 麗美ちゃんと千鶴ちゃんが、やんちゃな2人に睨みを利かせる。


「七緒さん、わたしたちは読書でもしませんか?」


「良いですね、そうしましょう」


 和沙ちゃんと七緒ちゃんも、仲睦まじく。


「じゃあ、そこのおっぱいコンビ、ドSコンビ、インテリコンビで仲良くしてね~? んで、コハルは真尋きゅんと、イチャラブしとくから~♡」


「「「「「「おい、クソビッチ」」」」」」


 他のメンバーたちに睨まれても、小春ちゃんはニコニコしている。


 一方、僕はため息がこぼれてしまう。


 元々、3だけでも、持て余すと言うか、ありがたすぎるという感じだったのに……


「まーくん」


「真尋」


「真尋くん」


「真尋きゅん」


「まーちゃん」


「真尋」


「真尋くん」


 7人の美少女たちが……ヤバい。


 しかも、みんな水着姿で……とにかく、ヤバい。


「分かった、分かった。じゃあ、みんなで勝負しない? 夜の真尋きゅんとのベッド権を賭けてさ~」


「良いぜ、やってやるよ!」


「ちょっと、勝負って、ちゃんと公平にやるの?」


「体力系は、こっちが不利ですよ?」


「もう、おっぱいの大きい順でよくない?」


「黙りなさい」


「じゃあ、小さい方からにしましょうか」


 と、もう収集がつかない状況だ。


 このままだと、せっかくのリフレッシュタイムが……


「……おい、みんな」


 僕が低い声で言うと、少しビクッとして、振り向く。


「せっかくの貴重な夏休みの時間、そんな風にケンカばかりしているなら……もう、エッチしてあげないよ?」


 僕は内心でめっちゃ土下座しつつも、がんばって偉そうなキング級の態度を取った。


 すると……


「「「「「「「ご、ごめんなさい……」」」」」」」


 みんな、大人しくしてくれた。


 僕はコホン、と咳払いをする。


「とりあえず、せっかくだから、みんなで楽しく遊ぼうか」


「「「「「「「はーい!」」」」」」」


 何だか、嬉しくもあり、むずがゆくもあり……


 けど、僕は何だかんだ、順調にハーレム王の道を歩んでいるらしい。


 その証拠に……


「……おい、あの冴えないメガネ野郎、どこの御曹司だよ」


「あんなS級美少女ばかり、侍らせやがって」


「前世でどれだけの徳を積んだら、あんなことに……」


 ……いや、本当に。


 僕も出来ることなら、有り余るこの幸福を、おすそ分けしてあげたいけど……


「まーくん、行こぉ~!」


「真尋、行くわよ」


「真尋くん、行きましょう」


「真尋きゅん、レッツゴー♪」


「まーちゃん、行くよぉ~」


「真尋、早くしなさい」


「真尋くん、お願いします」


 ……やっぱり、誰ひとりとして、手放しがたい。


 何だかんだ、僕はワガママな男だ。









 次回、最終回です。


 ただ、人気シリーズで、僕としても書いていて楽しいので。


 完結後も、スピンオフとか番外編とか書くと思います。


 あと、noteにて、こっちでは書けない18禁祭りも開催予定。


 まあ、とりあえず、連載から1年ちょい経ったこのタイミングで。


 ひと区切り、つけさせていただきます。


 これ以上は、ただのエロだらだら話になっちゃうので。


 そういうことで、次回はエピローグです。


 最後まで、よろしく。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る