第83話 どんどんハーレム

 上質なベッドの上で、吐息が弾む。


「はぁ、はぁ……」


「な、七緒ちゃん、大丈夫?」


「え、ええ……やっぱり、真尋くんのは……スゴいです」


「七緒ちゃんこそ……良かったよ」


 僕らは裸のまま、お互いを褒め合う。


 七緒ちゃんは、落ち着いた雰囲気だけど……エッチの最中は、すごかった。


 よくよく考えてみると、小春ちゃんの『ビッチーム』に所属しているくらいだから、そりゃ性欲は強いよねって言う。


 彼女とするのは初めてじゃないけど、前回はビッチームの他のメンバーもみんな入り乱れてだったから。


 改めて、2人きりでしてみると、七緒ちゃんの良さが分かった。


 落ち着いて上品なのは、エッチの時も変わらないけど……とにかく濃厚だった。


 おかげで、小説の執筆においても、良いフィーリングを得られそうだ。


「真尋くんのモノは本当に立派です。だから、やはり、1人の女性だけで満足して欲しくないです」


「何か、色々と申し訳ないよ。何だかんだ、ハーレムを満喫しちゃって……」


「良いんですよ、真尋くんはそういう運命の下に生まれた人なんです……だから、次は私の友人ともシてもらえますか?」


「友人って……?」


「真尋くんとも、面識はありますよ」


 七緒ちゃんは、ベッドに横たわりながら、にっこり微笑む。




      ◇




 目の前にあるのは、どう見てもアダルティなお店。


「こ、ここって、僕ら高校生は、まだ……入っちゃダメだよね?」


「ええ。だから、ここで待ちましょう。もうすぐ、来ますので」


 七緒ちゃんが言って、数分後……


「待たせたわね」


 1人の少女が姿を見せる。


「あっ……小野寺おのでらさん」


千鶴ちづるさまと呼びなさい、真尋」


 まるで女王さまみたいに顎を逸らして言うのは、長身でポニテがよく似合う、小野寺千鶴さん、その人だった。


 ビッチームのメンバーの1人である。


「千鶴さん、お疲れ様です」


「お疲れ、七緒」


「え、ていうか、千鶴ちゃん、このお店から出て来たけど……」


「ああ、ここでバイトしているから」


「そ、それは……ダメなんじゃないの?」


「まあ、普通はね。でも、ここ身内がやっている店だから」


「そ、そうなの?」


「だから、お手伝い。お給料も発生していない。将来のために、勉強させてもらっているの」


「将来のために?」


「そう。あたし、将来はアダルトグッズのお店で働きたいから」


「そ、そうなんだ……あれ? でも、女王様になるって……」


「それは夜の副業よ♡」


 千鶴ちゃんは、蠱惑的に微笑む。


「へ、へぇ~……」


「ていうか、七緒から聞いたわよ。真尋、あんたエロ小説を書きたいんだって?」


「いや、まあ……そうだね」


「千鶴さんにも、色々とエロ知識を真尋くんにレクチャーして欲しくて」


「あたしもってことは、七緒はもう仕込み済み?」


「はい」


「へぇ~? じゃあ、あたしもたっぷりと、楽しませてもらおうかな~?」


「お、お手柔らかに……」


「けど、あんたのチ◯ポ、本当にデカすぎるから。あたし1人じゃ持て余すから、七緒も協力して」


「はい、もちろんです」


「あと、まほろも呼ぼう」


「えっ、まほろちゃんも?」


 ビッチームで唯一、年下……今は2年生の彼女。


 小柄なゆかりちゃんよりも背が小さくて。


 けど、その胸は誰よりも大きい。


「真尋も、久しぶりにあのデカメロン味わいたいでしょ?」


「というか、大玉スイカですけどね、実際のサイズは」


「まあ、そうね」


 2人は笑いながら言う。


「あれぐらいのサイズでようやく、真尋のすっぽり収まる感じでしょ?」


「ゆかりさんだと、少しハミでるくらいですか?」


「いや、まあ……あの、普通に人通りがある所だから……」


「全く、真尋ってば。そんなに早くエッチしたいの?」


「ち、違うよ、そういう訳じゃ……」


「では、まほろちゃんも呼んで、4人でしましょう」


「てか、小春は?」


「小春さんは、真尋くんのハーレムメンバーに正式に加わったそうなので、今回は遠慮しておくと」


「はぁ? いつの間に……ズルい女ね」


「では、これを機会に、私たちも正式に、真尋くんのハーレムメンバーにしてもらいますか?」


「えっ? いや、それはさすがに、大所帯すぎるというか……」


「とりあえず、準レギュラーってことで良いでしょ? それとも、文句あるの?」


「あ……ありません」


「よし、さっさと行くわよ」


「うふふ」


「……はい」


 ハーレムの主と言えど、あまり僕に権限はないのかもしれない。




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