第68話 手強い奴ら!?

 夕暮れの冬の道を歩いて行く。


「はぁ~、久しぶりのサウナ、温泉、楽しみだなぁ~」


「この機会に、美肌効果をたっぷり得ないと」


「日頃の疲れを癒したいです」


 3人娘はノリノリな様子で言う。


 一方、僕は正直、面倒だなぁと思ってしまう。


 そりゃあ、たまには広くて大きな湯船に浸かってみたいと思う。


 でも、わざわざ、こんな寒い冬に出掛けるのは億劫だ。


 しかも、もし温泉で疲れを癒しても、すぐ彼女たちにその回復分以上を吸い取られてしまうだろうし。


 かと言って、断ればまた面倒なことになるのは目に見えているし。


 どちらにせよ、僕に安息の時はなかった。


「わぁ~、ここおっきぃ~、きれいだね~。まーくんのチ◯ポみたい♪」


「こら、ゆかり。はしたないわよ」


「他のお客さんもいるんですから」


 僕のアレに例えられたのは、さすがに不服だけど。


 でも、確かにこのスパはきれいな場所だと思った。


 意外と近場に、こんな施設があったなんて。


 僕は家が快適だから、そんなに出歩くこともないし。


 よく知らなかった。


「てか、ここって混浴ないの~? まーくんと温泉パ◯りしたい♪」


「ないわよ。あったとしても、他の人がいるでしょうが」


「でも、そういうプレイも、興奮するっしょ?」


「まあ、否定はしませんけど……」


 相変わらず、ハレンチな会話をする彼女たち。


「じゃ、じゃあ、僕は男湯に行くから」


 その間に、そそくさと離れる。


「まーくん、お風呂あがったら、いっぱいズコ◯コろうね♪」


「ちょっ、だから、声が大きいって……」


 羞恥心のあまり、僕は早足で男湯に駆け込んだ。




      ◇




 ジリジリ、ムワムワ、と。


「はぁ~、サウナって、気持ち良いな~」


「良い具合に汗をかいているわね。後でちゃんと、水分補給をしないと」


「わたしはさほど体力がないので、ほどほどで切り上げます」


 3人娘は、のんびりとサウナを満喫していた。


「てか、お腹すかなーい?」


「そういえば、夕食時ね」


「ここ、飲食コーナーもありますから。上がったら食べましょう」


「良いね~♪」


「それにしても、真尋は1人で寂しくないかしら?」


「どうだろうね~? ぶっちゃけ、あたしらがいない方が、のんびり出来るんじゃないの~?」


「確かにそうですね。冬休みの時も、がっつりシカトされていましたから」


「ねえ、まーくんとパ◯れなかった間、オ◯ニーしてた?」


「ちょっと、ゆかり。ハレンチよ」


「良いじゃん、他のお客さんもいないんだし」


「わたしはシていましたよ」


「おっ、さすが、和沙たん。ムッツリスケベ~♪」


「まあ、私もシていたけど」


「あたしも、シまくり~。回数は?」


「そんなのいちいち、数えてないわよ」


「なるほど、数えきれないしたと……麗美さんは、淫乱ですね~」


「誰が淫乱よ、下ネタ女め」


「ふん、お高く留まったスケベ女よりはマシだよ」


「何ですって~?」


「2人とも、静かにして下さい。ただでさえ、熱いのに……」


 その時、サウナの扉が開く。


「ふぅ~、久しぶりのサウナだ~♪」


 数名の女子たちが入って来る。


 ゆかりたちと同じ年頃の……


「んっ?」


「「「あっ」」」


 3人同時に、思わずポカンと口を開いてしまう。


「おやおやぁ~? 奇遇だねぇ~?」


「ゲッ、あんたは……!?」


 表情を歪める3人に対して、先頭に立っていたショートヘアの女子は、ニヤリと笑う。


「どうも~、綿貫きゅんハーレムのみなさ~ん♪」


「こ、こはるん……」


 そこに現れたのは、桜田小春withビッチームだった。


「あれ~? この人たち、まーちゃんのおヨメさんたち~?」


「ふぅ~ん? 本当に奇遇ねぇ~」


「ここで会ったが百年目ってやつでしょうか」


 小春の背後にいた、3人の女子たちが言う。


「ていうか、君たちがいるってことは……綿貫きゅんも、ここに来ているんでしょ?」


「ま、まあ、そうだけど……」


「ふ~ん?」


 小春の目が、キュピーンと光る。


「コハル、久しぶりに、綿貫きゅんのデカ◯ン味わいたいな~」


「なっ……こ、こはるん。もうあきらめたんじゃないの?」


「まあ、一時はあきらめかけたけど~……やっぱり、あのインパクトは忘れられないんだよ。みんなもそうでしょ?」


「「「うん」」」


 あちらの3人娘も頷く。


「コハルの凄テクで可愛がってあげても、所詮は女同士だからね。男のイチ◯ツによる快楽は与えてあげられないからさ~……もう、ビッチなあたしらは、疼きまくりなんだよ」


「ビッチーム……だっけか。まーくんは、あたしのモノだから!」


「いえ、私よ」


「いえ、わたしです」


「はぁ~? 明るいムッツリと暗いムッツリは黙っていてくれない~?」


「あ、明るいムッツリって、何よそれ!」


「暗いムッツリとか……刺して良いですか?」


「って、そっち仲間割れしてんじゃ~ん!」


 小春がケラケラと笑う。


「ていうか、そっちのギャル子さん、おっぱい大きいけど~……」


「んっ? 誰だ、君は?」


新海しんかいまほろですぅ~。わたしの方が、あなたよりもっと、おっきいよ~?」


 どたぷん!……と。


「グハッ……」


「おぉ~、まほろん。良いジャブかますね~。ゆかりんは、乳だけが取り柄の女だから。それが自分よりも上の相手を見て、すっかりダメージを受けちゃって」


「ち、ちくしょう……何だそのデカメロンは!?」


「わたし~、おっぱいの主張は激しいけど……でも、恥ずかしがり屋なの~」


「はぁ?」


「ぺらっ……と」


「……なっ、陥没している……だと?」


「このおっぱいで~、まーちゃんを~、いっぱい可愛がったんですぅ~♪」


「なに……ッ!?」


「まーちゃん、すっごく気持ち良さそうでしたよ~? わたし、一個下なのに、良いようにされちゃって」


「てことは……あたしよりも、年下でこのデカメロン……だと?」


 ゆかりは衝撃を受けて固まった。


「ちょっと、ゆかり。しっかりしなさいよ!」


「正直、ざまぁって感じですけど、しっかりして下さい!」


 ゆかりは麗美と和沙に揺さぶられる。


「ふ~ん? そっちのきれいな子が、真尋の女王さま?」


 ポニテの女子が言う。


「そう言うあなたは……?」


小野寺千鶴おのでらちづるよ。ちなみに、真尋のことは、下僕と呼んでいたわ」


「げ、下僕……ですって?」


「ちょっとだけ、話は聞いたけど……あなた、中途半端なんじゃない?」


「な、何がよ?」


「女王さまを気取りながらも、所詮は真尋……いえ、下僕に下剋上されちゃって」


「あ、あなたこそ……真尋の……に、ヤラれちゃったんじゃないの?」


「まあ、確かに、アレは衝撃的だったわ。けど、次は必ず服従させてあげる」


「ふ、服従って……この子、ヤバいわね」


 麗美はたじろぐ。


「あなたが、天音和沙あまねかずささんですね?」


 三つ編みおさげの女子が言う。


「あなたは?」


愛地七緒あいちななおです」


「愛地……七緒……どこかで聞き覚えが……」


 和沙は口元に手を添えて、数秒ほど思考する。


「……あっ、全国模試トップ常連の」


「それはあなたもですよね? 理系が得意な天音さん?」


「そういうあなたは、文系がお得意なようで」


「はい、そうです。ですから私、読書をよくします」


「ちなみに、どんな本を?」


「色々読みますよ? 文芸から、専門書から、ビジネス書まで……ですが、1番のお気に入りは……官能小説です」


「……はい?」


「そこには、めくるめく、大人の世界が描かれています……あなたのような、ウブなお子様が知らない」


「ウ、ウブ……お子様って……わ、わたしだって、真尋くんといっぱいキスとかエッチをして……」


「キス、エッチ……なんて可愛いこと」


「はい?」


「キスは接吻せっぷん、エッチは性行為と表現します」


「し、知っていますよ、それくらい」


 普段はクールな和沙が、珍しく動揺していた。


「う~ん、みんなバチバチだね~」


 小春がおかしそうに笑って言う。


「そうだ、せっかくだし、勝負しない?」


「えっ?」


「綿貫きゅんをかけて♡」


「なっ……」


「じゃあ、勝負して勝った方が……綿貫きゅんと、湯上りズコ◯コ出来るってことで♡」


 小春は笑顔を浮かべながら、左手の親指と人差し指でサークルを作り、そこに右手の人差し指を抜き差しする。


 背後の仲間たちも、不敵な笑みを浮かべていた。


「こいつら、あたしらよりも、ゲスくてエグいぞ……」


「渡したら、真尋が汚されちゃう……」


「絶対に、負けられません……」


 3人は、必死に相手を睨み返す。


「じゃあ、決まりだね♪」




      ◇




 その頃、男湯の真尋は……


(あいつ、チビで陰キャっぽいくせに、チ◯コすげ~!)


 周りの視線を感じて落ち着かない様子だったけど、あの3人がいないことでリラックス出来ていた。


「はぁ~、今日はもう、このまま家に帰ってのんびりしたいな~」


 とかいっていると、


「ヘクシュン!……ふぅ、湯冷めに気を付けないと」


 果たして、真尋の愛と貞操の行方やいかに!?







◇次回予告


 真尋のヨメたちVSビッチーム


 彼のデカ◯ンをかけた戦いが始まる!?


 ダラダラとあふれ出る汗が、止まらない。


「ダ、ダメ、もう……意識が……飛んじゃう……」


「ゆかり、しっかりしなさい!」


「ゆかりさん!」


 強敵を前に、まさかのケーオー、敗北!?


「わたし、あなたよりもおっきいこの爆乳で、まーちゃんをぜんぶ食べちゃうから……安心して、くたばって下さい☆」




 次回、乞うご期待!




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