第57話 未知のデカメロン

 目の前には立派な家がある。


 恐れながら、僕の家と同じくらいだ。


 そして、いつもここで、桜田さんを初めとするビッチームの面々は……


「綿貫きゅん、入って、入って♡」


 ボケッとしていた所、桜田さんに呼ばれる。


「あ、うん」


 僕はおずおずとしながら、その家の中に入った。


「わーい、小春ちゃんのお家だ~♪」


 新海さんはハシャぎ、


「はぁ、疲れたわ」


 小野寺さんは足を組んでソファーに座り、


「すみません、お茶を下さい」


 愛地さんは落ち着いた様子で言う。


「あはは、相変わらず、可愛い子たちだな~」


 そして、この家、さらにはチームというか、ハーレムの主である桜田さんは、のほほんと笑いながら言う。


 一方で、元から大人しい僕は、さらに借りて来た猫のように大人しくなってしまう。


 やっぱり、アウェー感が強い。


 自分の家が恋しくなってしまう。


 そして、彼女たちのことも……


「さてと、綿貫きゅん」


「え、何?」


「先ほど、しっかりと腹ごしらえもしたことだし……早速、コハルたちの相手をしてくれるよね?」


「いや、その……本当にするの?」


「うん。だって、みんなもお待ちかねだし。そうでしょ~?」


 桜田さんが言うと、他の3人が頷く。


「わたし、小春ちゃんが認めるくらいの、デカ◯ンさんとエッチしたい♪」


「どれほどのモノか、見せてもらおうかしら。ただし、満足させなかったら……コロス」


「とても情緒的な営みが出来ると良いですね」


 何だか、すっかりやる気だ……


「じゃあ、綿貫きゅん、覚悟は良い?」


 桜田さんが迫るけど、


「あ、あの、僕やっぱり……」


「そうだ。この前の修学旅行、楽しかったね~」


「えっ?」


「いっぱい、良い写真が撮れたよ~……あの熱い夜のとか♡」


「うっ……」


「これ流出させたら……ヤバイよね~?」


 そう言って、桜田さんがスマホで見せる写真は、僕だけでなく、あの3人もバッチリと写っていた。


「……分かったよ、大人しく言うことを聞くから」


「そうこなくっちゃ♡」


 桜田さんは、ニコリと笑う。


「コハルはもう、綿貫きゅんのデカ◯ン経験済みだから、最初は3人さんがどうぞ」


「じゃあ、わたしから良いですか?」


 この中で唯一の後輩、新海さんが手を上げた。


「良いよ、まほろん。いきなり、そのメガおっぱい、かましたれ♡」


 桜田さんがはやし立てる。


 でも確かに……すごいおっぱいだ。


 確か、ゆかりちゃんがFかGカップ。


 けど、新海さんのそれは……2、3カップは上の気がする。


 下手をすれば、それ以上に……これはまさかの、3ケタ……


「よいしょっ♪」


 制服のブラウスをめくると、ブルン!と力強く、巨大な双子山が姿を見せた。


「うわっ……」


 あまりのデカさに、思わず声を出してしまう。


 いや、胸自体も大きいけど、あんなサイズのブラジャーって、あるんだ……


「はぁ~、もっと可愛い柄のが欲しいんだけど、このサイズだと無くて……」


「あら、それは自慢かしら?」


「引きちぎっても良いですか?」


「うわーん! ひどいですぅ!」


 な、何か、あの3人みたいなやり取りだな……


「ちなみに、綿貫きゅんはどう思う? まほろんのブラ、あまり可愛くない?」


「えっ? いや……本人が可愛いから、問題ないんじゃないかな?」


「へっ? う、嬉しいなぁ……」


「へぇ~? 童貞っぽい見た目のくせに、中々に口が上手いじゃない」


「今のご時世、イケイケのイケメンよりも、こういったタイプの方がモテるのかもしれませんね」


 などと言っている内に、新海さんが僕の方に寄って来た。


「あの、『まーちゃん』って、呼んでも良いですか?」


「ま、まーちゃん?」


「わたしのことも、まほろって呼んで♪」


 むぎゅっと、ミニマムな体で僕に抱き付く。


 けど、その一部はとてもマグナムだ。


 圧力が半端ない……いや、すごく柔らかいから、むしろ包み込まれるような癒し心地だ。


 ゆかりちゃんのは、大きくてハリがあるけど……同じ巨乳でも、タイプが違う。


「ねえ、まーちゃん。このまま、わたしのブラジャー外してくれる?」


「うっ……」


 こんな風に、年下の女の子に甘えられることは無かったから……耐性が無くて動揺してしまう。


「いや、でも……」


「わたしのこと、嫌い?」


 純粋無垢な瞳が、キラキラと潤んでいる。


 さらに年下の健気パワーが増して、僕は激しく動揺した。


 そして、震える手で、ホックを外す。


「わっ、すごい。片手であっさりと……まーちゃん、やっぱりモテ男なんだね♪」


 パサッ、と巨大なブラが落ちた。


「……わたしね、こう見えてシャイだから……こっちもなの」


 詳細は語れない。


 ただ、一部のマニアが垂涎のやつ、とだけ言っておこう。


 ちなみに、僕はそれで興奮するほどの変態ではない……けど。


「ねえ、まーちゃん。お顔をパフパフされるのと、下の方をギュッとされるの……どっちが良い?」


 さすがに未知のデカメロンを前に、少しばかり興奮している自分がいた。




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