第50話 まさかの熱血バトル!?

 僕は部屋に戻って来た。


 いつもの3人+ビッチさん1人と一緒に。


「で、まーくんのデカ◯ンを賭けたゲームって、何をするの?」


 ゆかりちゃんが、桜田さんに尋ねる。


 すると、桜田さんはニヤリと笑う。


 お願いだから、あまり過激にエロいゲームはやめてくれ……


「……古今東西なんてどう?」


「あら、意外とまともね」


「ちょっと、肩透かしです。てっきり、もっとイケない遊びかと思ったので」


「あらあら~、3大美女のみなさんは、コハルに負けず劣らず、性欲が旺盛みたいですね~」


 桜田さんはクスクスと笑う。


「ちなみに、みんな古今東西は分かるよね?」


「お題に沿って、リズム良く順番に答えて行くあのゲームでしょ?」


「うん、その通りだよ。で、今回のお題は……『エロいようでエロくない言葉』ってことで」


「えー、何それ、面白そう~!」


「確かに、やりがいがあるわね」


「わたし、負けません」


 3人は意気込んでいる。


「じゃあ順番は前島さん、市野沢さん、天音さん、コハルの順番で」


「イエーイ! じゃあ、先頭バッター行くぜぇ~!」


 ゆかりちゃんは、自信満々に言う。


「せーの……」


 パンパン!(※手を叩く音だよ)


「パイナップル!」


「ぶぶーっ!」


「えぇ!?」


 ゆかりちゃんが、驚いて桜田さんの顔を見た。


「何で? パイナップル、良い答えでしょ!?」


「だって、普通っていうか、イマイチ」


「ガーン!?」


「ふふ、ゆかりも甘いわね」


「お、市野沢さん、自信ありげだね。じゃあ……」


 パンパン!


「マスカット」


「ぶぶーっ!」


「えっ」


「それもっと微妙だよ。普通に可愛い感じだし」


「麗美、この期に及んでカマトトアピールとか、萎えるわ~」


「う、うるさいわね!」


 ゆかりちゃんと麗美ちゃんが言い合う。


「もう、全然ゲームが進まないじゃ~ん」


 桜田さんが口を尖らせて言う。


「じゃあ、次はわたしが行きます」


 和沙ちゃんが言う。


「天音さん、頼むよ~?」


 パンパン!


「たまこんにゃく」


「良いね~!」


 パチパチ!(※コハルの拍手の音)


「絶妙だよ、そのワードセンス」


「ありがとうございます」


「他には何かある?」


「ありますよ」


 パンパン!


「おひたし」


「良いね~! 他には?」


 パンパン!


「お吸い物」


「良いね~!」


「ちょ、ちょっと、桜田さん。あなた、言い出しっぺのくせに、煽るばかりで何も言わないじゃない」


「そうだ、そうだ~!」


「分かった、分かった。コハルもちゃんと言うから」


 パンパン!


「《バキューン! ズドドドドドド!》」


 とんでもない下ネタを言われて、みんなして呆然とした。


「ビ、ビッチだわ、この女……」


「わーん! まーくんが食べられちゃう~!」


「いや、みんなあきらめないで!?」


「大丈夫です、真尋くん。わたしがこのビッチさんを倒してみせます」


「和沙ちゃん……頼りになるな」


「う~ん、じゃあ次は別のゲームにしようか」


「えっ?」


「今度は頭じゃなくて、体力重視っていうか~」


「こら~、急に変えるなんてズルいぞ~!」


「良いじゃん。そっちの2人はあまりセンス無かったんだから、むしろチャンスでしょ?」


「でも、体力重視って……私、あまり自信が無いわ」


「わたしもです」


「へへ~ん。じゃあ、ここはゆかりちゃんの出番かな~?」


 ゆかりちゃんが腕まくりをして言う。


「良いね~、その気合。じゃあ、次の対決は……これだよ」


 そう言って、桜田さんはテーブルの上にバナナを4本置いた。


「って、何でこんなに持ってんの!?」


「1本でもおかしいのに……」


「コハル、常に飢えているからさ~」


 桜田さんはそう言って、舌なめずりをしながら、僕の方をみていた。


 こ、怖い……


「で、ここに……」


 キュキュッ。


「えっと……チ◯コって書いてあるけど……」


「うん。今からみんなして、これをこすって、この文字を消すゲームね」


「な、何と……つまりは手コ……ぶへっ!?」


「言わないでよろしい」


 麗美ちゃんがゆかりちゃんの頭に手刀を落とした。


「何だよ、バカー!」


「じゃあ、みんな。準備は良い?」


「ちょ、ちょっと待って。手の準備運動を」


「私も」


「わたしも」


 3人は入念にストレッチを始める。


 何か、本当に体育会系の勝負前みたいだけど、実際はアホみたいなエロ勝負だからなぁ……


「じゃあ、用意は良いね?」


 桜田さんの呼びかけに、3人は頷く。


「レディー……ファイッ!」


 次の瞬間、みんなして……


 シュコシュコシュコシュコ!


「うおおおおおおおおぉ!」


「ふぬうううううううぅ!」


「くううううううううぅ!」


 3人が必死に悶えている。


 こ、これは……あくまでも、バナナなのに、なんて光景なんだ……


「それそれそれえええええええええぇ!」


 一方、桜田さんは、余裕の笑顔だ。


 しかも、スピードが超速い。


「な、何て速さだ! おのれ、さすがビッチ……」


「3人とも、普段から綿貫くんのデカ◯ンに可愛がってもらうばかりで、自分たちではご奉仕をサボっていたんじゃないの?」


「そ、そんなことないもん。あたし、まーくんにおっぱいでいっぱいご奉仕しているし!」


「ふん、所詮は持って生まれた乳だけしか武器がないんでしょ?」


「な、何だとぉ~!」


 シュコシュコシュコシュコ!


 怒りのためか、ゆかりちゃんがスピードアップした。


「ふぅ~ん、前島さんは、少しはやるみたいだけど……市野沢さんと天音さんは、やっぱり体力なさそうって感じかな~?」


「バカにしてくれちゃって……」


「このまま負けたら、悔しいです……」


 シュコシュコシュコシュコ!


 麗美ちゃんと和沙ちゃんもスピードアップした。


「良いね、みんなして、そう来なくっちゃ!」


 4人の争いはさらにヒートアップして行く。


 バカげたエロ勝負のはずなのに、いつの間にか僕は食い入るように見つめていた。


「「「うおおおおおおおおおおおおぉ!」」」


「くっ、意外とやるなぁ~!」


 シュコシュコシュコシュコ!


 シュコシュコシュコシュコ!


 シュコシュコシュコシュコ!


 シュコシュコシュコシュコ!


「み、みんな、がんばれ!」


 そして、ついに……


「「「「……ぷはっ」」」」


 全員が、同時にバナナから手を離した。


「はぁ、はぁ……おぉ~、みんなツルピカ、きれいちゃん」


 桜田さんが言う通り、みんなのバナナがちゃんと綺麗になっていた。


 その代わり、手の平は汚れているけど。


「そ、それで、勝負の結果は?」


 ゆかりちゃんが息を弾ませながら言う。


「うーん……ドローってことで」


「悔しいわ、女王になれなくて」


「普段からなっているんだし、良いじゃないですか」


 麗美ちゃんと和沙ちゃんも、息を弾ませながら言う。


「ていうか、引き分けってことなら、誰がまーくんのチ◯コをものにするの?」


 ゆかりちゃんが小首をかしげて言う。


「そうね……せっかくだし、みんなで仲良くってのはどうかしら?」


「あ、それ良いですね」


「え~、コハルも一緒に良いの~?」


「まあ、こはるんのおかげで、何か楽しかったし」


 熱血な勝負を戦い抜いた仲だからか、4人はきゃいきゃいと盛り上がって仲良くなっている。


 一方、僕は……


「……えっと、みんなで仲良くは良いんだけど……その……」


 4人とも、笑顔で僕の方を見た。


「あたし達、すごく頑張ったんだもん、ご褒美が欲しいよ」


「ええ、そうね」


「がんばりました」


「じゃあ、みんなでいただいちゃおうか♡」


「ちょっ、待って! さすがに、みんな一斉には……」


 ガチャリ。


「は~、生活指導のタケセンにくっそ絞られたわ~!」


「結局、女子とはあまり遊べなかったし」


「ツイてないわ~」


「ゲームでもすっか」


 そして……


「「「「えっ?」」」」


 戻って来た同室の男子たちが、目をパチクリとさせる。


 当然、彼らの目には、4人の可愛い女子たちの姿が目に入って……


「「「「いやん、エッチ~♡」」」」


 と、彼女たちが言うと、


「「「「し、失礼しました~!?」」」」


 念願の女子たちがいるにも関わらず、彼らは驚いて逃げてしまった。


「あっ、みんな……」


 ポン、と僕の肩に手が置かれる。


「まーくん……パコろ♪」


「えぇ~……」


 その後のことは、詳しく語れない。





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