第45話 ビッチに食べられちゃう!?

「てな訳で……3大美女も愛した、冴えない陰キャくんのデカ◯ン、いただきます♪」


 いつもの3人のエロ会話から逃げるようにして、新幹線の個室トイレに入ったら、もっとヤバそうなビッチさんに襲撃されて、僕はムンク状態になっていた。


「カチャカチャ、と♪」


「……って、させないよ!?」


 当然ながら、僕はベルトブロックをした。


「えー、良いじゃん、減るもんじゃないし」


「いや、そういう問題じゃ……ここは公共のトイレなんだし、こんなふしだらな真似をしたら、最低だよ?」


 僕はなるべく優しく、目の前にいるビッチ……桜田小春さんを説得しようと試みるのだけど……


「……ぐすっ」


「えっ?」


「コハル、そんな悪い子じゃないもん……」


 まさか、泣かれるとは……


「あ、いや、何もそこまで言うつもりは……」


 僕のブロックが緩んだ瞬間、


「隙アリ!」


「わっ!?」


 カチャカチャ!


「だ、だから、やめなって!」


「綿貫きゅん、そんなに大きな声を出しても良いのかな~?」


「えっ?」


「もし、乗務員さんとかにバレたら……ヤバくない?」


「うっ」


「あるいは、先生とか生徒とか……」


 僕の顔がサッと青ざめて、怯んだ隙を突いて、桜田さんはベルトを外しにかかる。


「あっ」


「おほぉ……これはこれは、期待がデカい、あそこもデカい♪」


 まだ脱がした訳じゃないのに、桜田さんはそんなことを言う。


 ズボン越しに、僕のアレをまじまじと見つめていた。


「な、何を言っているのさ」


「ねえ、男子って、女子のおっぱいがデカいかどうか、気にするでしょ?」


「い、いきなり何の話?」


「けど、それは女子も同じこと。男子のおチ◯コがデカいかどうか、気にしているんだよ」


「そ、そうなの?」


「ていうか、君も知っているっしょ? 女子だって、ちゃんと性欲旺盛なんだって。特に思春期は♪」


 確かに、いつもあの3人の相手をしているから、よく分かる……


「だって、あの3大美女は、ちゃんとイケメンの彼氏持ちだったはずなのに、君みたいな冴えない陰キャにゾッコンになるってことは……もう、おチ◯コがご立派だからでしょ?」


「いや、そんなことは……」


「隠しても無駄だよ。ていうか、もう隠しきれていないけど」


「えっ?……あっ」


 悔しいけど、トイレの個室で、同じ学校の女子に迫られる。


 そんな背徳的な状況のせいか……少しばかり、僕のムスコが反応していた。


「うわ、これ凄そう……まだ半分くらいだよね?」


 ズボン越しに膨らみかけた僕のムスコを見て、桜田さんは目を丸くした。


「いや、その……」


「え、まさか、まだ3分の1とか? ヤバ、今までで1番かも……コハル、興奮しちゃう」


「や、やっぱり、経験が豊富なんだ?」


「あれ、興味が湧いて来た?」


「そうじゃなくて……同じ学校に、こんな危険人物がいただなんて……」


「危険人物とか、ひどい……ぐすっ」


 また、泣いた素振りをされるけど、もう嘘泣きだと分かっているから。


「とにかく、もう出て行ってよ。僕、そもそも、用を足したいんだよ」


「あ、じゃあ、せっかくだから、コハルのお口にする?」


「しないから。僕を犯罪者にしないでくれ」


「別にお互いに合意の下なら、良いと思うけど」


「良くないよ、こんな公共の場所で」


「ふぅ~ん? やっぱり、マジメなんだ。ヤリ◯ン野郎なら、今ごろとっくにだよ?」


「ぼ、僕はそんなじゃないから」


「そっか、そっか。でも、だからこそ、あの3大美女もそそるんだろうね?」


「わ、分からないけど……」


「じゃあ、お願い。ちょっとだけ、見るだけで良いから」


「ダメだから、早く出て行って……」


 その時だった、コンコン、と。


 扉がノックされて、ビクッとする。


「まーくん? まだトイレ中?」


 この声は……


「ゆ、ゆかりちゃん?」


「中々戻って来ないから、心配で様子を見に来たんだよ?」


「そ、それは、わざわざ……」


 扉越しにゆかりちゃんと会話をしつつ、僕は桜田さんと攻防を続ける。


「むぅ、中々しぶといな……」


 桜田さんは、口を尖らせた。


 次の瞬間、


「えいっ」


 むぎゅっ、と。


 ズボンの上から、僕のアレを掴んだ。


「うっ!?」


 思わず、声が上ずってしまう。


「まーくん、大丈夫?」


「いや、その……」


「ねえ、何か様子がおかしいけど……ま、まさか……」


 ドクン、ドクン、と僕の心臓が跳ねた。


 ま、まずい、今の状況がバレて……


「……オ◯ってんの?」


「……はっ?」


 僕はポカンとしてしまう。


「やだもう、そういうことなら、早く言ってよ~」


「ち、違うんだ、ゆかりちゃん……」


「じゃあ、ホテルに着いたら、あたしがゆっくりヌキヌキしてあげるからね♡」


 そう言って、ゆかりちゃんは、鼻歌を歌いながら去って行った。


「へぇ~、愛されているんだね~」


「ていうか、離してよ」


 僕がベシッと手を叩くと、桜田さんはようやく離してくれた。


「まあ、仕方ないね。コハルも、万が一このことがバレて、せっかくの修学旅行が台無しになったら最悪だし」


 桜田さんは、しゃがんだ状態から立ち上がる。


「じゃあ、またね~」


 そして、笑顔で去って行った。


 僕はため息を吐きながら、


「あ、カギ締めないと」


 ようやく、心を落ち着けることが出来た。




      ◇




 自分の席に戻る途中、先ほどズボンの上からではあるが、彼のアレを掴んだ手を、ジっと見つめていた。


「……想像以上に、デカ過ぎ」


 自慢じゃないけど、今まで結構な数のアレを見て来た。


 けど、彼の大きさは、その中でも1番かもしれない。


 実物をちゃんと拝んでいないから、断言は出来ないけど。


「……ますます、欲しくなっちゃうなぁ」


 すんすん、と右手を嗅ぐと、良い具合の臭いがした。


「気弱で優しいくせに、オスとしては優れ過ぎだなんて……そのアンバランス加減もまた、そそるなぁ」


 ビッチで経験豊富な小春は、久しぶりの上等な獲物を見つけて、興奮が冷めやらなかった。




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