第40話 衣装と言うか、コスプレと言うか……
見た目が良いのって、やっぱり得と言うか……素晴らしいことなんだなって、思わされる。
「「「「「「うわぁ~、3人ともすご~い!」」」」」」
僕らのクラスは文化祭のクラス出し物である演劇の準備の真っ最中。
そして、今はその衣装合わせをしている所なんだけど……
「ゆかりちゃん、お姫様かわいい~!」
「えへん!」
「麗美ちゃん、王子さま姿が凛々しいわ~!」
「嬉しいわ」
「和沙ちゃん、魔女の雰囲気がサマになっているよ~!」
「ありがとうございます」
我が2年A組の三大美女たちは、やはりどうしても注目を集めてしまう。
けど、それも仕方のないこと。
ていうか、これだけの美少女を僕が実は独り占めしているだなんて……何か申し訳ないな。
「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおぉ!」」」」」」
案の定、男子たちはボルテージが最高潮に達しているし。
「はいはい、みなさん静かにして下さい!」
実行委員が静めようとするけど、中々そうも行かなかった。
◇
文化祭の時期になると、忙しいから学校への泊まり込みもしたりする。
まあ、去年の僕は、全くそういったことに縁は無かった。
そして、今日も別に泊まりこむようなことはしていないけど……
「ああ、愛しのレイーミ様! どうか、このあたしを救って下さいまし!」
「待っているんだ、ユカリン! 私が必ず、魔女カズーサの手から、あなたを救い出して見せる!」
「ふふふ、そう簡単には行きませんよ」
僕の目の前で、寸劇が繰り広げられている。
「……あ、あの~。何で僕の家で劇の練習を? しかも、衣装まで借りて来ちゃって」
「ちょっと、まーくん! 良い所なんだから、黙っておしゃぶりでもしておきなさい!」
「お、おしゃぶりって……何を?」
「それはもう、あたしのおっぱいを♡」
「黙りなさい、バカお姫さま」
麗美ちゃんはニッコリ笑顔のまま、オモチャの剣でゆかりちゃんのほっぺをグリグリとする。
「あにすんだよ~! どうせするなら、おっぱいを攻めろ!」
「そう言う問題なのかしら……」
「でしたら、わたしが杖で左胸を攻めますので、麗美さんは右胸をお願いします」
「お~! 和沙たん、さすが隠れ鬼畜ちゃん♪」
「み、みんな、もう夜も遅いんだし、あまり騒がないで! ていうか、帰りなよ」
「大丈夫だよ~、親には文化祭の練習って言って、泊まりの許可もらってるし~」
「私も」
「わたしもです」
「……はぁ~。分かったから、少し静かにしてくれよ。僕、ちょっと眠いからさ」
「ふふふ、まーくん。そんなこと言っていると、お目覚めのキス、しちゃうぜ?」
「それはあんたがされるんでしょうが」
「というか、本番で本当にキスするんですか? それはまあ、お2人のテンションに任せますけど」
「いやいや、こんな腹黒女とキスしたら、逆に毒が回って死んじゃうからさ」
「おほほ、そのまま本当に、死んでしまえば良いのに。そうすれば、真尋のハーレムもだいぶ静かになるわ」
「何だと~!? そうしたら、誰がおっぱい要員になるんだよ! 貧乳2人しかいないじゃんか!」
「だ、だから、私はそんな貧乳じゃない、美乳よ!」
「まあ、ゆかりさんにしたら、わたしも麗美さんも、どんくりの背くらべなのかもしれないですけど……やはり、切り落としますか」
「和沙ちゃん、お願いだから君はまともでいて。このメンバーの良心なんだから」
「あら、真尋? 私は性格が悪いって言いたいの? 腹黒だって、そう言いたいの?」
麗美ちゃんは王子さまの衣装で、女王さまみたいに迫って来た。
何だこのアンバランスプレイは……
「てかさ~、ちょっと息抜きにセッ◯スしない?」
「ゆかりちゃん、いきなり何を言っているの?」
「良いわね、ちょっと煮詰まっていた所だし」
「麗美ちゃん?」
「せっかくだし、コスプレしながらと洒落込みましょう」
「和沙ちゃ~ん?」
その後、結局は深夜になるまでバカ騒ぎをしてしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます