第33話 嫁力選手権②

「あわあわ、しゅわしゅわ~♪」


 ゆかりちゃんは、またしてもご機嫌な口調で言う。


 確かに、今回はあわあわも、しゅわしゅわもしている。


 お風呂に入浴剤をありったけ入れたから、ゆかりちゃんがいた。


「まーくん、まーくん」


「どうしたの? 背中でも洗って欲しいの?」


「ノンノン、今はあたしがお嫁さんとしての力量を試されている訳だから。ここは、あたしがまーくんのことを洗ってあげる」


「いや、僕は別に良いよ」


「まあまあ、そう言わず……今から、あなただけのソー◯嬢になってあげるね♡」


「もう帰っても良いですか?」


「や~ん! まーくんの照れ屋さ~ん!」


 また抱き付かれる。


 やはり、じかパイの威力はすごい……


「わ、分かったから。その代わり、いかがわしいお店みたいなこと、しないでくれよ? 背中を洗ってくれるだけで良いから」


「おっぱいで?」


「スポンジで」


「スポンジみたいに柔らかいおっぱいですけど?」


「じゃあ、間を取って手でしてもらうのは?」


「う~ん……まあ、良いでしょう」


 ゆかりちゃんは渋々といった具合に納得してくれる。


「あ、ロー◯◯ンつける?」


「つけません」


「そうだよね~。せっかくだし、あわあわしたいよね~」


 ゆかりちゃんはまたご機嫌な様子で、手の平にボディーソープを取る。


「さてと……」


 むぎゅっ。


「って、おい。どこ触ってんの?」


「えへへ、冗談だよ~。まーくんのまーくん、こんにちはって」


「いい加減にしないと、もう出るよ?」


「まーくんの怒りんぼさ~ん! ちゃんと洗うから、大人しくしていてよ」


 ゆかりちゃんは少しぷりぷりしながら、僕の背中を洗い始める。


「どうですか~、お客さん? ゆかりちゃんの手、気持ち良いですか~?」


「お客さんってやめてよ」


「お客さん、背中はちっこいけど、アソコはおっきいですね~♪」


「だから、やめてくれってば」


「は~い……ごしごし、しゅわしゅわ」


 しゅわしゅわしてないっての、僕の背中は。


「ていうか、まーくんって見た目はママ似だよね。まーくんママ、ちっこくて可愛らしかったし」


「まあ、そうだね」


「けど、アレのデカさだけは、パパにしっかりと遺伝されちゃって♪」


「いい加減、下ネタはやめてくれないかな?」


「えっ? でも、そうすると、話すことが無くなっちゃうよ」


「何で下ネタ頼りなんだよ。ゆかりちゃん面白いから、他にもネタいっぱいあるでしょ?」


「やん、うれし~!」


 むにゅっ。


「って、だから抱き付かないで」


 直パイの威力はすごいんだから。


 これ、弾力が本当にヤバい。


「遺伝と言えば、ゆかりちゃんのお母さんもやっぱり……巨乳なの?」


「うん、デカいよ~。ちなみに、ママはスラッと背が高くてかつ巨乳だから。あたしのチビはパパに似ちゃったんだよ」


「へ、へぇ~」


「あ~、今ちょっと頭の中で、あたしのママと浮気したっしょ~?」


「し、してないよ。僕はその……背はちっちゃいのに、こんなにおっぱいが大きいゆかりちゃんのことが……好きだから」


「ぽっ……」


 顔を向けると、ゆかりちゃんは頬を赤く染めていた。


「ねえ、まーくん……ちょっとだけ、キスして?」


「い、良いよ」


 ゆかりちゃんがスっと目を閉じると、唇を重ねて来た。


 ちょっとっと言ったのに……メチャクチャ、舌を絡めて来る。


「……ぷはっ。ゆ、ゆかりちゃん……激しいよ」


「だって、まーくんが嬉しいこと言ってくれるから……ねえ、このままお風呂場でパコろ?」


「ダ、ダメだよ。父さんと母さんに聞えちゃうし」


「構わんぞ~」


「へっ?」


 僕はギギギ、と浴室の扉に目を向ける。


 そこには男のシルエットが浮かんでいた。


 ていうか、父さんだった。


 悔しいけど、僕よりも少しだけご立派なイチモツさんのシルエットが、ビンビンと主張していらっしゃる。


「息子と嫁(将来)のセッ◯◯スを覗き見ることが、俺の夢だったんだ」


「あんた本当に最低だな!」


「やだもう、はずかち~!」


 もちろん、そのまますることなどあり得ませんでした。




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