第26話 ビーチで張り合う3人

 海と言えば……ビーチバレー。


「とりゃっ!」


 ブルルン!


 海と言えば……スイカ割り。


「とりゃっ!」


 ブルルン!


「……ちっ、本当に目障りな胸ね」


 麗美ちゃんが歯噛みをしながら、恨みがましくゆかりちゃん(のおっぱい)を睨んでいた。


「あ~ら、貧乳が何か言っているわね~?」


「だから、私は決して貧乳じゃないっての!」


「じゃあ、揺らしてみ?」


「い、良いわよ……えいっ」


 プルン、プルン。


「へぇ~、意外とやるじゃん……よっと」


 ドブルルルルルン!


「……ちっ」


 またしても、麗美ちゃんが荒んだ表情でゆかりちゃんを睨む。


「あの乳をナイフで切り落としてやりたい……」


「やめろ、サイコパス女ぁ!」


 と言った具合に、ゆかりちゃんと麗美ちゃんの2人がいつも通り、ケンカをしている一方で。


「真尋くん、真尋くん」


 和沙ちゃんがちょいちょい、と僕を指で突いて来た。


「ん? どうしたの?」


「先ほど、あちらの方に良さげな岩場を見つけまして……一緒に行きませんか?」


「えっ?」


「2人きりで……ダメですか?」


「いや、それは……」


 僕が返答に困っていると、


「って、和沙たん! 何を抜け駆けしようとしてんの!」


「何だか、あなたも図太くなって来たわね!」


「いえいえ、お腰はこんなにほっそりしていますよ」


 和沙ちゃんは自身のウエストラインを撫でながら、そんなことを言う。


「全く、生意気で鬱陶うっとうしいのは、ゆかりだけで手いっぱいなのに」


「ていうか、1番ウザいのは麗美でしょ~?」


「はぁ? 私のどこがウザい訳?」


「何か、あたしらの仕切り役みたいになっている感じが」


「でも、実際問題、私が仕切っているおかげで、こうして楽しい海の別荘暮らしが出来ているんでしょう?」


「それはそうだけど……あと、自分だけがまーくんの正妻面すんのやめてくんない?」


「だって、真尋と最初に結ばれたのは、この私だもの」


「うわ、とか付けちゃっているし……このナルシスト女め」


「ナルシストで結構よ。その方が、自分を高められるもの」


「じゃあ、さっさとあたしのおっぱいの高みに追い付きな」


「だから、何でもかんでも、おっぱいで尺度を計ってんじゃないわよ」


「はぁ~? ていうか、あたしのおっぱいを意識しまくってんのは、麗美の方でしょうがぁ」


「ちょ、ちょっと、2人とも。口を開けばケンカするのはやめてくれないか?」


「そうですよ。真尋くんに迷惑がかかるじゃないですか」


「……って、またさりげに、和沙たんに良いポジション取られているし」


「今の何か、すっごく正妻っぽくて、ムカつくんだけど」


 ゆかりちゃんと麗美ちゃんが怒りマークをこめかみに浮かべながら、和沙ちゃんを睨む。


 けど、和沙ちゃんは怯むことなく、メガネをすちゃと持ち上げて見せる。


「当然です。だってわたしは、真尋くんに処女を捧げた女ですから」


「ま、まだそれを言うの?」


「和沙たん、その1点でゴリ押しはちょっとズルいというか、ダサいよ~」


「ゆかりさんだって、おっぱいの1点ゴリゴリ押しじゃないですか」


「ゴ、ゴリゴリ押しと来たか……まあ、否定は出来ないけど」


「そして、麗美さんはサイコパス女王ですし」


「何て不名誉な称号なの!? 今すぐ取り消しなさい!」


「だって、麗美さんは平気で、真尋くんに足を舐めさせるでしょう?」


「うっ……そ、そんなことはさせないわよ」


「けど、その内させると思うので。その点、わたしは決してそんなひどいことはしません。愛する真尋くんに、ひたすら尽す所存です」


「尽すって、例えば何すんの~?」


「そうですね……ま、真尋くんの……お、お◯ん◯んを舐めます!」


「って、和沙ちゃーん!?」


「ぷっひゃひゃ! 和沙たん、根がマジメだから色々と振り切れちゃっているよ!」


「けど、そこまで言い切れるなんて……ムカツクわね」


「じゃあ、今すぐ実演してみてよ。あたしらが判定してあげるから」


「い、良いですよ」


「いやいや、落ち着いて、和沙ちゃん!」


「わ、わたしは落ち着いています」


 和沙ちゃんは頬を真っ赤に染めたまま、少し意地になったような顔で僕を見た。


「ま、真尋くん……お、お◯ん◯んを、舐めさせて下さい!」


 勇み叫んだ和沙ちゃんは、僕の海パンをガッと掴む。


「って、ちょ、ちょっとぉ!?」


「真尋くん、手を離して下さい!」


「いや、無理だから!」


「何を恥ずかしがってんのさ、ハーレム王のくせに。あたしなんて、もう何度もまーくんのチ◯コしゃぶってんじゃん」


「わ、私だって、真尋のお◯んぽ、しこたま舐め舐めしているわよ」


「むむぅ~……」


「ちょっと、みんな! 何の張り合いをしているの? せっかくの海なんだから、もっと健全に行こうよ!」


「ちっちっち。まーくん、それは無理な相談だよ」


「あきらめんのはやっ」


「わ、私も、何だか疼いて来ちゃった」


「いや、そんなこと言われても」


「じゃ、じゃあ……みんなして、順番こにしますか」


「マジですか……?」


 改めて見ると、3人娘たちは、すっかり発情モードに入っていた。


 僕は大きくため息を漏らす。


「分かったよ。じゃあ、別荘に戻って……」


「てか、さっき和沙たんが見つけたって言う、岩場でやろうよ」


「えっ?」


「そうね。その方が……燃えるわ」


「ちょっ」


「わ、わたし……がんばって、真尋くんをお元気にしちゃいます!」


「ひっ……ひえぇ~!」


 これは嬉しい悲鳴です。


 うん、そういうことにしておこう。







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