番外編 和沙
小さな頃から優等生だった。
周りの誰よりも勉強が出来て、将来は日本の最高学府T大に入ることも夢ではないと言われて来た。
そんなわたしだけど……
「……ま、真尋くん。今日はわたしの方から、キスをしてみても、良いですか?」
「あ、うん。どうぞ……」
恋愛に関しては、まだまだ初心者で。
彼氏はいたけど、処女のままだったし。
だから、新たな彼氏というか、ハーレムの主様にその処女を捧げて。
これからの人生、身も心も彼に捧げる所存なのだ。
けど、いつまでも処女面をして、彼に甘えてばかりではイケない。
そんなことでは、他の親友でありライバルの2人に差をつけられっぱなしになってしまう。
元々、あの2人よりもエッチの経験は乏しい訳だし。
胸の大きさだって……
それでも、自分には大きなアドバンテージがある。
やはり、処女を捧げた女というのは、デカいのだ。
胸は小さいけど、そこはデカいのだ。
「んっ……」
わたしはオドオドしながらも、真尋くんの唇に自分のそれを重ねた。
ぎこちなくも、彼の柔らかみに沈んで行く。
大丈夫かな? ちゃんと出来ているかな?
不安に思っている時、彼がそっと背中を抱いてくれた。
わたしはドキリとする。
やがて、ゆっくりと唇を離す。
「……ど、どうでしたか?」
「うん、ちゃんと気持ち良かったよ」
「うふふ……」
「でも、ちょっとメガネが邪魔だったから」
そう言って、真尋くんはさりげなく、わたしのメガネを取った。
「あっ……」
彼は決して、イケメンという訳ではない。
むしろ、ついこの前まで、優しいけど冴えない男子という印象しか持っていなかった。
そんな彼が、まるで本当のイケメンのように見えて仕方がない。
「今度は、僕からするね」
「お、お願いします……」
真尋くんはまたわたしの背中に手を添えて、そっとキスをしてくれる。
唇に触れ方から、舌を入れるタイミングまで、バッチリだった。
わたしはゾクゾクとしてしまう。
嫌らしい音が鳴る度に、脳内で快楽物質が大量に放出されるようだった。
「……大丈夫だった?」
「……は、はい。気持ち良すぎました。真尋くんは、キスもエッチも上手ですよね」
「うん、まあ……散々、鍛えられているから」
彼は少しズーンと沈んだ表情で言う。
普通、ハーレム王なら男の誰もが羨むだろうけど。
それにはそれなりの苦労があるのだろう。
元々、彼はそういった気質の持ち主ではない訳ですし。
「あの、胸も触って下さい……ゆかりさんや麗美さんには、及ばないですけど」
わたしは服のボタンを外す。
「そんなことないよ。和沙ちゃんの胸、すごくきれいだ。形も良いし」
「本当ですか?」
そう言ってもらえるだけで、本当に嬉しい。
実は密かに、育乳のためにマッサージをしている成果が出たのだろうか?
「真尋くん、どうぞ」
わたしは自分の小さな胸をさらけ出す。
「きれいだよ、和沙ちゃん」
彼はまた、優しい言葉で言ってくれる。
その後、彼は優しい言葉をかけながら、わたしの胸を優しく撫でてくれた。
「はぁ、はぁ……」
体が火照って来た。
その後、さらに際どい方へと彼の手は伸びて行く。
さらにわたしの体が火照って行く。
「……そろそろ、良いかな?」
「はい……もう、準備完了です」
その後、わたしは彼にしがみつきながら、必死に一緒になって天国に行こうとした。
◇
事を終えると、落ち着いた頃に彼はお茶を持って来てくれた。
勉強中は甘いジュースが欲しいけど、今この時は、そういった温かい飲み物の方がありがたい。
「大丈夫? 痛くなかった?」
「はい、平気です。真尋くん、すごく優しくて、上手だから」
「あはは、照れちゃうな」
これは決してお世辞ではなく、実際問題、真尋くんのテクは相当なものなのだ。
大きさも、すごいですし……って、わたしは何を。
「……楽しい時間はあっという間に終わってしまいますね」
「んっ?」
「真尋くんとの2人きりのデート権。もう、わたしの番はおしまいです」
「あはは……僕が3人いれば良いんだけどね」
「真尋くんが3人……3人の真尋くんに同時に攻められるのも、悪くないですね」
「いやいや、何で一人占めするの? 他の2人にもあてがうためなんだけど」
「冗談です」
今までのわたしは、自分からこんなおふざけをしなかったのに。
エッチなことだけじゃなくて、彼と一緒に居ると、どんどん新しい自分を発見できる。
それがとても嬉しくて、楽しいと思った。
Fin
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