ローマ字入力でブラインドタッチ

 今どき小説を書かれている方はほとんどがパソコンだと思う。


 もちろん、秋山忍先生みたいに原稿用紙に万年筆でもいい。


 大切なのは、文字を書くことが苦痛にならないこと。パソコンがどうも苦手、なら手書きでもいい。万年筆の書き味も捨てがたい。

 パソコンを使うなら、少しでも楽に、速く打てるように練習するといいと思う。


 日本語の入力方法にはローマ字入力とかな入力がある。

 自分は理系なので、プログラムを打ち込んだり、英語も書く機会があり、英語のアルファベットに加えてかなキーを覚えるのはいやだなと思ったので、ローマ字入力一択だった。


 ネットで調べてみると、ブラインドタッチに適しているのはローマ字入力だという情報が多い。もっとかな入力派が多いと思ったのだが。

 某社の人に言わせると親指シフトが爆速というが、これも訓練を積んだ達人の場合。

 そこまで狙わないのなら、ローマ字入力が妥当なのかなと思う。


 ちなみに自分のタイピングを計測したところ、e-typingというサイト(https://www.e-typing.ne.jp/)でスコア328だった。

 ここでは英語もテストできるが、やってみるとかなり遅かった。キーの位置は指が覚えているのだけど、キーを打ち込むコンボはローマ字の方に慣れきっていて、英語は英語で別に練習しないといけないようだ。


 e-typingだけでなく、今はネットでタイピングの練習ができる。ブラインドタッチはぜひマスターしてほしいと思う。手元を見ないで打てるので、資料の打ち込みなどは資料と画面だけ見ていれば完結する。頭の中の文章を打ちこむのも、画面だけ見て打ち込むのはかなりスピードを稼げる。


 最大のメリットは文字を打ち込むことが苦にならなくなること。

 苦労してタイピングした文字列だと、1文字であっても削りたくなくなる。文章を丸ごと修正しろなどと言われたら、ああまた、キーボードを見ながらポチポチ打つのかと絶望的な気分になる。

 こんな苦行をしていては、能率が悪いだけではなく、アウトプットとしていい文章ができるかどうかも期待薄になる。


 文字を打ちこむのが、打ち込んだ文章を推敲するのが、できあがった原稿を公開して読者の反応を見るのが、楽しいからこそ、創作をやっているはず。

 アウトプットがよくなると分かっていれば、修正も思う存分かけられる。ぱぱっと打ち込んだ文章ならざっくり削除するのも惜しくない。


 ということを考えると、今の時間だけちょっと大変だけど、ブラインドタッチを練習することは、それだけの価値があると思う。

 要はホームポジションを覚えて、どの文字はどの指がどの段のキーを打つか、というのを覚える。ローマ字なら覚える文字は少なくていいし、かな入力の2倍打たなければいけないということもない。


 タイピングが苦行だという人がどういう創作をしていたかは、この目で見てきたので、ろくなアウトプットが得られないということははっきり言える。キーボードは100以上もボタンがあって大変だ、フリック入力の方がまだマシ、などと言うような人(かな入力でかつブラインドタッチをマスターしなかった人)がいて、それはまた大変な苦行で書き上げたのだろうな、と作品を読みに行くと、びっくりするほどつまらない。


 個々の作品のマイナス評価は胸の内にしまって、直接名指しで批判するようなことはしないつもりでいる。しかし、一般論として「こんなことではろくな作品は作れない」という情報は、普通に出していきたいと思う。

 創作を「楽しむ」ということを重視しない。「楽しむ」ためにするべき基礎的な努力をするつもりがない。そういう態度については厳しいことを今後も言うつもりだ。


 今どきは音声入力も精度が高いので、あるいは口述筆記も今後は行けるのかもしれない。さすがに自分の創作を声に出して読むのは恥ずかしいので、自分はまだまだローマ字入力で書いていくつもり。

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