第8話 右足も例外ではないっ!

……………What did you say? Please one more.


今、右足も行きますとか言ったよね?


OKOK,確かに足という部位は二つあるよ。

それで、まだ片方………左側しか終わってないね。


そうだね右足が残ってるね。

……………Oh my god…私はもう一度足揉み地獄を耐えなければいけないのか…………。


拝啓、田舎のお母さんへ。


お久しぶりですね。お元気ですか?

俺は大学を卒業してもう働いています。

お仕事は大変なことも多々ありますが、なんとか上手くやってます。


同僚との仲は良好です。

先輩も優しい人ばかりです。

最近は後輩なんかもできて、その子はすこしおっちょこちょいな子ですがとても可愛くて…………元気な子で教えていてとても楽しいです。


お母さんは、オレオレ詐欺に引っかからないでくださいね。

俺の名前は一樹です。

決して康弘じゃありません。

俺は3文字です、康弘は4文字です。

まだボケるような年じゃないでしょうし、何より実の息子の名前くらいは覚えておいてください。


ちょっと今様々なことが重なって、逝きかけていますが、なんとか生きています。

お母さんも体調に気をつけて、長生きしてください。


…………後、お隣の由美子ちゃんのことはもう聞かないでください。

知らぬ間にメールアドレスも電話番号も変わっていて、SNS全般も見事にブロックされていました。


なんででしょうか、俺は何もしていないのに。

やはり俺がイケメンじゃないからでしょうか。


孫の顔は期待しないでください。

多分見せられるとするのなら、あなたの息子の息子です。


どうです?

息子の息子は実質孫じゃないですか?


…………しょうもないギャグは程々にします。


何度も言いますが、お体に気をつけて毎週の茶道教室頑張ってください。


敬具。………お父さんのことを忘れたわけじゃありません、本当です。


なので、実家の俺の部屋においてある猫耳フィギュアを壊そうとしないでください。

あれは秋葉原限定品で高校の頃何本も電車を乗り継いでやっとのこと買ったんです。


お願いですから壊さないでください。

あのフィギュアは下から見ると角度によってはパンツが見えることを教えておくのでどうか壊すのだけはやめてください。


俺は両親へと手紙をしたためて、今度こそ異世界転生しようと、腹に力を入れ、


「ウギャアアアアアアアアァァアアアアアァア!!!嘘つきィィいいいい!!終わりジャァアアアナァアアアアイイイイイ!!!!」


叫んだ。


火事場の馬鹿力とはいうが、人間本気出せばこんなに大声を出せるんだな。

他のお客さんに怒られそうだぜ☆


「半分は出来たんですから、もう半分もいけますよー。」


シーツの端を握りしめて必死に耐えている俺に、水葉さんがそんな優しいのか鬼なのかよくわからないアドバイスをする。


「そういうぅううう!!!!問題じゃなァアアアアアアアアアアアアアアイイイイ!!!」


お母さん、あなたの息子は異世界に行きました。探さないでください。警察の方に迷惑ですから。


次回より、マッサージに行ってみたんだけど、店員のお姉さんがめっちゃくちゃエロい…!! 異世界編スタート!!!(しません。

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