第4話 お疲れ様といってほしい…

「じゃ、じゃあ次は肩の方やっていくので、お体の向きを変えてください。」


気持ちよかったお顔マッサージは終わり、今度は肩の方へ行くみたいだ。


肩はな、凝ってる分気持ちいいと思うけど、それと同時に痛いと思うからな…………俺痛いのと辛いのとグロいのとエロいの…………はイケるな。


まぁ、イタ、カラ、グロ。あとホラーは無理なんよ。


テレビで足つぼのやつ見たらすんごい痛そうだったしな………。


「はい。」


俺は出来れば優しめでお願いしますと祈りながら、体をびっくり返した。


「上、失礼します。」


「あっはい。」


一瞬なんのことだか分からなかったけど、とりあえず返事をしておいた。


少ししたら俺の腰の上のあたりに重さがを感じる。


そういうことね。

肩は下の方から揉んだほうがいいもんね。


「では行きますね。」


そう言って俺の肩にオイルを垂らす水葉さん。

これも冷たいのが心地よい。


体の上に乗られてる以上、アニメのように全く重さを感じないとは行かない。


夢を壊すようで残念だが、女の子だって人間だから重量はあるのだよ。


でもまぁ確かに軽いな。

それに相手が美女&巨乳だからその重さも相殺されて、実質重量なしだ。


「うわぁ、凝ってますね。」


俺の肩を掴んでそう言う水葉さん。


うわっ、そこめっちゃ良い!!

痛みを全く感じないわけではないけど、それを遥かに凌駕する気持ちよさ!


こりゃあ全然耐えられる。

むしろ痛みまで気持ちいいわ…。


「仕事でずっと座ってるんで…。」


俺は気持ちよさの大海でパン・パシフィックキメながら答えた。


「お疲れさまです。」


水葉さんがにっこりつぶやく。

ちなみに、俺は下を向いてるのでにっこりというのは俺の妄想だ!!


異論は認めるが、これが事実なのは変わらないぜ!!!


「……………もう一回、もう一回言ってもらえません?」


俺は差し出がましいかもしれないが、そんなお願いをした。


これに関しては本当に申し訳ないが、仕方がないのだ。


俺のように毎日身を粉にして働く男にとって誰かからのお疲れ様はサウナ後の炭酸ぐらいしみるのだ。


それが美少女、しかも巨乳からとなるとその喜びは計り知れない。


もうこんな機会なんてないと思うから、一生分のお疲れ様をここで言ってもらいたい所存であります。


「えっ?あっ、はい。お、お仕事毎日お疲れさまです。」


戸惑いの声を上げつつ、しっかりと言ってくれる水葉さん。


ヤベェ、毎日とか付け足されたら死んじゃうよ…。


社畜にそれはだめよ、泣くよ?俺泣くよ?

みっともなく泣くよ?


ア○ロいっきまーすのテンションで、社畜泣っきまーす!!!


「ありがとうございます。本当にありがとうございます…。」


俺はもう水葉さんが女神にしか見えなくて、心のなかで拝みながら感謝を述べた。


いや、マジで俺がスマホを持っていたら、録音して鬼リピしたい…。


「………いつもお仕事お疲れさまです。辛いときも疲れたときもよく頑張ってますね。いつも本当にありがとう。毎日本当にお疲れさまです。」


オォ・マイ・ガーッ!!!


神なのか? 俺は昔から無宗教者だったけど、水葉さんなら女神と言われても信じちゃう!


いつもとか、辛いときとか疲れたときとか、そんなことを言われたら、泣いちゃうわ…。


もうわんわん泣いちゃうわ……。

ありがとう、本当にありがとう。お陰様で俺長生きできそうだ。


ちな、眠気はピークを越しました。

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