Act.02:アリオス星系②
「それぞれの惑星についての説明は必要ですか?」
「うーん。六個もあるんだよね?」
「そうですね、全部で6個の惑星が公転しています」
それぞれの説明をしてもらっていたら、凄い時間かかりそうだし、ちょっとアストラルに申し訳ない。
あ、そう言えば、この星系には人が住める惑星があるって言ってたな……それだけは聞いてみようかな。とは言え、知った所でどうするのって話だけど。
「確か人が住める惑星があるって言ってたよね?」
「言いましたね。この星系には二つ程存在していますが、片方は開拓途中なので人はそこまで居ません」
「なるほど。ん? 片方?」
「もう片方の惑星もまだそこまで発展していませんが、前者の惑星よりは発達していますよ」
「ほうほう」
でもさっきのアストラルの話を振り返ってみると、確か宇宙ステーションとかコロニーがあるって言ってたから、開拓するために動いている人たちはそこに居るって事かな。
「何か気になる事がありますか、マスター?」
惑星に住んでいると言う人たちも気になるし、コロニーやステーションについても気になる。
「コロニーと宇宙ステーションがちょっと気になるかな」
「なるほど。コロニーは少し遠い場所ですが、宇宙ステーションならすぐ目の前にありますよ」
「え?」
慌てて外を見る。
方向とか良く分からないが、操縦席より右方向の先に何か六角形? の形をしたボールのようなものが見えている。大分大きく見えるので、かなり近い場所だなあれ。
「あれが……」
「気になるのであれば、寄っていきますか? マスター」
「……」
凄い気になると言えば気になる。
ワープドライブを休ませる必要もあるから、すぐにワープは出来ないし、寄ってみようかな? むしろ、ゲーム内でしか知らないステーション内がこの目で見られるって何かワクワクする。
少しぐらいの寄り道は良いよね。
「じゃあお願い」
「了解しました。ついでに、
「
また何か、聞き慣れない言葉が出てきたな……。
「
「ほうほう」
そんなのがあるのか。
これは、SFAではなかったやつだな……それにしても、何処かで聞いた事あるような職業な気がする。何だっけ? 何かあったよね、そんな感じで依頼受けて稼ぐやつが。
……まあ、良いか。取り敢えず、何か自由度高そうな職業? があるのは分かった。
「登録するとどうなるの?」
「うーん、特にこれと言ったものはありませんが、一番は依頼を受ける事が出来るという事でしょうか。一応、この宇宙船内で色んなものは揃ってますが、何か買いたい時とかお金が無いと何も買えませんし、稼いでおいて損はしませんよ」
「確かに……」
忘れていたけど、お金って今僕持っていないよね?
SFAで使っていた通貨は見当たらないし……流石に、お金まではないって事かな。インベントリーメニューを見た感じでは、お金みたいなのはない。
アストラルが言うには、この宇宙船内でほぼ自給自足が出来るらしいんだけど、それでも買わないといけないものも幾つかあるとの事だ。いや、宇宙船内で自給自足出来る時点で色々おかしいよね?
え? そんな事無いって? ……まあ、自給自足出来て困る事はないから良いけどさ。
「宇宙ステーションやコロニー等と言った場所には依頼を受けられたり、物を売ったり出来る宇宙探検者協会と呼ばれる場所があります。惑星でもある程度発展しており、人も住んでいる場所であれば、設置されている所もあります」
「宇宙探検者協会、か」
「まあ、簡単に言ってしまえば
「確かに長いね」
依頼とかを受けてお金を稼ぐ、か。
やっぱり何処かで聞いた事あるような、ないような……。でも、依頼自体はゲームの中でもあったな。ただそんな宇宙探検者協会なんて名称ではなかったはずだけど。
特に特殊な事はしなくとも、宇宙ステーションとかに行けば依頼があるから、それを受けて指定されたものを回収、もしくは討伐すればOKだったしね。
それはともかく、宇宙ステーションに寄るべきか。
アストラルが言う通り、
確かに太陽系には行きたいけど、急いで行きたいと思っているかどうかであれば、ノーかな。別に急いでないし……こうして宇宙で動いている間に、地球ではどのくらい経過しているか分からないし。
それに、この姿だしなあ。
ガラスに薄っすらと映る、自分の姿。会社に務めていた時の僕の面影は一切なく、完全に別人である。そもそも、性別が変わっているからな。そして、見た目も……年齢すら逆行している訳だ。
見た目で言うなら12、3歳くらいだろうか?
一応、一人暮らしではあるけど実家に行けば中学二年と高校一年の妹二人と両親が居るけど……これで行っても僕だって分からないよなあ……そもそも、宇宙に居る間に時間は過ぎていくはずだし、もしかするともう誰も居ない可能性だってある。
それに、太陽系はあるけど、そこは僕の知っている太陽系なのかっていう疑問もある。こればっかりは実際行かないと分からないけど、これ急いだ方が良いのかなあ。
……。
ふと、無意識にアストラルの方に視線を向ける。僕の宇宙船のコアらしいが、見た目は完全に人間にしか見えない。今のこの変わってしまった僕の姿に何処か似ているかもしれない。
と言っても、髪色が異なっているけど。僕が銀髪であるのに対して、アストラルは金髪だ。目の色こそ、同じだけどね。後は服装がアストラルの場合は白いワンピース(半袖)一枚着ているだけで、頭には同じく白いリボンを付けているだけだ。
身長はもうほぼ一緒で、並んでいると髪色は違うけど、双子に見えるくらいだ。
太陽系に行くのも大事だけど、アストラルの服も買った方が良さそうだ。実体があるという事は、服も着られるはずだろうし。でも待てよ……僕は一応、アバターのガチャを結構回していたはずだし、幾つかのシリーズのコンプしていたはず。
それを使えないだろうか? 宇宙ステーションに行く前に、僕は一度インベントリーメニューを操縦席から開くのだった。
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