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そして、当日。
会場は駅前のホテルの大会議室。受付にある検温カメラで体温測定してもらい、平熱であることを確認。両手をアルコール消毒し、会費を払って中に入ると……
すごい。
2メートル四方の正方形のアクリル板が直立して、等間隔にずらっと並んでいる……なんかもう、それだけで何かのオブジェっぽい。
席は自由で、アクリル板に左右前を仕切られたコの字型のスペースにOAチェアがあり、その奥の机にはロックワイヤーで机につながれたタブレットが置かれていた。ログインすると参加者専用ページに飛ぶ。会場見取り図があって、それぞれの席の場所にユーザー名が表示されている。もちろん私の名前もあった。
あれ? あんやとさんがいない。そして……Maxwellさんも……
と、いきなり私の左隣の席に、誰かが入ってきた。その姿を見た瞬間、私は愕然とする。
うそ……「みっちょん」や……
そう。クラス担任、国語の
みっちょんは隣の私に気付くと、ニッコリと笑いかける。そして、席に着くとログイン操作をした。
その時、会場見取り図の私の席の左隣に、ユーザー名が表示される。
”あんやと”
……え……この人が……?
そして、いきなりプライベート通信
承認。
『
そう言って、みっちょんはカメラ越しじゃなく、隣の私に直接笑いかけた。
---
どうやらみっちょんは、彼女の子供が通っている幼稚園の先生と仲が良くなって、その人から聞いた話をそのままシャケトワールに書いてるらしい。実際彼女も幼稚園から小中高の教員免許を全て持ってて、幼稚園の先生もできるとのこと。
という話を聞いたところで、司会者の割り込みが入る。開始時間が来たのだ。
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