第11話ドリームオブブレイカー
あれは3人がこの世界に来る前、キズナは竜を思わせる怪獣、願い星怪獣ネガルガンを追っていた。
その理由はネガルガンのすべての願いを叶える力に有った。
もし悪の者の手に渡れば大変な事態となる。
そんなことも自覚していないのか怪獣は別次元へと逃走、何とか発見するもそこはストロングマンが作品として観られている世界。
そんなこととはつい知らず、すぐに人間態に成り捜索するが警察に保護されそうになったり誘拐犯に捕まりそうになったり散々だった。
「ハァ………ハァ………早くネガルガンを見つけないと。悪い奴に渡る前に」
疲労から息を荒くし、探し回りあっという間に日が落ち暗くなってしまった。
そして今に至る。
少年である明日を守るため、ビフォーグⅡとの戦闘が始まる。
「あなたがこの子を狙うのはなにかあるんでしょう?」
「それを語って、ご主人様の利益になりますか? なりませんよね? それならばあなたを倒した方が良いと判断します」
どこまでも主人に忠実な者だと思いつつキズナは一気に距離を詰め、相手の腹を思い切っし殴り、大きく吹き飛ばす。
宙に浮いた体に向けて拳を連打をくらわせる。
「頑張れー! キズナー!」
明日が彼女の戦いっぷりに夢中になっていると、後ろから次元の裂け目が開かれ、イゲルド人が現れた。
気づかれないよう彼を捕え、自分の空間に引きずり込もうとする。
「うわぁーーー!? 助けてぇーーー!?」
「君!?」
叫び声に気づいてももう遅く、イゲルド人の高笑いと共に次元の裂け目は閉じてしまった。
「子どもを巻き込んで………どこまで残忍になれば気が済むのよ!」
「それもこれもストロングマンを全滅させるため。あなたもその対象に入っています」
キズナの怒りの叫びにビフォーグⅡは冷静に発言を返し、そして真獣の本来の姿へ変貌した。
鶴と狐の美しさを融合させた姿をしており、全身が白く鋭い牙を生やし、大きな翼を羽ばたかせている。
『ほう、あの女も本気を出したか。死神として負けられんな』
丈とストロングマンイフリートとの戦いの最中、彼女の姿を見たノージャスティスは感化され加護を放出しながら高速移動で相手を
2体目の真獣の出現に3人は戸惑いつつ、黒き機体に集中した。
キズナは正義の巨人に変身、ビフォーグⅡに向け戦闘態勢であることを示すべく姿勢を低くし構える。
「キズナ? どうしてここに?」
大牙の質問に「話はあと!」と焦りの即答をし、真獣に立ち向かうのだった。
一方その頃イゲルド人は、洗脳した少年達とネガルガンを使いデッドストロングに次ぐ新たな真獣を生み出そうとしていた。
子どもには悪人に以上に残忍さを持つと言われている。
いじめっ子になる子ども、刑事ドラマなどの殺人を真似する子ども、小動物を殺すことで幸福感を得る子ども。
人間社会を学ぶ途中である存在を利用することで、最凶最悪の真獣が誕生するだろう。
さらに彼らの想像力を抽出すれば、ストロングマンを倒すいい起爆剤になる。
「さあネガルガンよ。私の願いを叶えろ」
彼の声に合わせ、ネガルガンが首を縦に振る。
「私の忠実な部下、真獣をこの少年達の想像力と残忍さを持って召喚せよ!」
その願いを聞き、咆哮を上げながら叶えてしまった。
夜の町に現れたのは、妄想真獣ドリームオブブレイカーだ。
その姿はぐちゃぐちゃで統一感がなく、腹には様々な怪獣の顔があり、足は4本、鋭く長い尻尾、背中に金色の翼と銀色の羽が片方ずつ存在する。
「なんなのあの真獣は! まさかネガルガンの力で!」
「察しが良いですね。さあ、これからご主人様によるストロングマン殺戮ショーが始まりますよ」
ビフォーグⅡの発言にキズナはイゲルド人が少年を
(私達を倒すために戦力を増やす。そのためなら手段は選ばない。早くあの子を救出しないと)
被害者を救うと言う想いに焦りを感じつつ、感情を抑えつけながら戦闘を続行する。
「丈君、私があの真獣を倒します。黒い機体は任せました」
「分かった」
ドリームオブブレイカーに向かって大牙は右手を向けると、相手の全身が燃え上がる。
すると水の球体が形成し、彼の体を取り込んだ。
逃げ出さそうとするがあまりの弾力性に脱出することができない。
このままでは息ができず酸欠になり死亡してしまう。
(ふん、私はマジシャンですよ。脱出ショーは何10年もやっています。すぐにこの牢獄から出てご覧に見せましょう)
彼は自信がある様子で全身を熱に覆い、水の球体を蒸発させて行く。
それに対してドリームオブブレイカーは腹にある何10個物の顔が口を大きく開き光線を撃ち放つ。
地面が割れ、住宅街が一直線に破壊して行った。
球体から脱出した大牙は頭の〈インフェルノスラッシャー〉に炎を集中させ、真獣に向かって飛ばす。
さらに腕をL字にし、光線を放つ構えを取る。
「ボルケーノエンドォー!!」
出力を最大にし放たれる真紅の光線。
だが何10発物光線を受け切れる訳がなく、まともに受けてしまった。
しかし元斗はすぐに気がづいた。
(違う。あれは向井さんじゃない)
予想通りあれはイフリートの分身。
では本体は、なんとドリームオブブレイカーの背後を取っていた。
それに対し妄想真獣は尻尾で貫きに掛かるが、紅蓮の炎によるバリアを展開され防がれる。
後ろを振り返り、咆哮を上げていると〈インフェルノスラッシャー〉が両腕を切断する。
イフリートの頭に装填され構え直していると、切断部分から勢いよく別の腕が生えて来た。
「なに?」
少しばかし動揺する大牙だったが、全身を炎に包み敵に突っ込んで行く。
するとドリームオブブレイカーは口から鋭い槍をマッハのスピードで飛ばした。
心臓部を貫かれ、血吹雪を上げながら崩れ落ちる。
眼から光が消え、仮死状態になるのだった。
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