第8話ブラックデスサイズ
イゲルド人はデッドストロングとして復活するべく、下準備にブルージョーから手に入れたデータと倒された真獣達の経験をベースに開発した黒き機体ノージャスティスを起動していた。
「ビフォーグII、コバチ・改二とノージャスティスを出撃させろ。ストロングマンを引きずり出し、死神の誕生を祝わせるのだ」
「かしこまりました」
キレイなお辞儀を行うビフォーグⅡは調子が戻った主人に安堵し、そして後ろを振り替えり表情を隠しながら喜びで笑み浮かべる。
コバチ・改二とノージャスティスを次元の裂け目から〈ジライヤ〉本部に向かわせようとすると、黒き戦士がその場で足を止めた。
「どうしました? 早くストロングマンを倒しに向かってください」
彼女の冷たい視線にノージャスティスは機械音を響かせる。
『まったく。いきなり実戦とは、主人もせっかちなものだ。まだ起動性や武器などのテストもシュミレーションも行っていないと言うのに』
「あなたはご主人様の兵器であり部下なんです。指示には従ってもらいますよ」
真剣な眼差しで見つめられ、呆れたようにため息を
戦いの経験がない彼が無謀な行為だと判断するのも無理もない。
だがイゲルド人の指示は絶対、なんとかして行かせなければ。
「コバチが向かっているんです。あなたがいなかったがために撃破された。なんて言われたくないでしょう?」
『ふん、どうしても俺に出撃してほしいようだな。良いだろう。先輩に先立たれるのもそれはそれで悲しいからな』
ニヤついたような声で次元の裂け目を開き出撃して行く彼を見を送ると、ビフォーグⅡは腰に手を当て鼻息を立てた。
(あのロボットはご主人様の考えを分かっていない。しかしストロングマンを倒せる自信はあるみたいですね)
そうして次元の裂け目を開き、溜まっている真獣売買の仕事を再開した。
一方その頃コバチ・改二とノージャスティスが〈ジライヤ〉本部に向かっているのを受け、
「頼みますよ難道さん」
「大丈夫さ。ストロングマンとして認められた以上、真獣に負けるものか」
柴は変身アイテムであるハンドガンを取り出し、3枚のコインを装填する。
それは真獣のデータがインストールされた金貨である。
これを装填することでストロングマンとしての強化が可能、
黒きオーラを放ちながら銃口を上空に向け、トリガーを弾く。
正義の巨人ストロングマンボウソウへ姿を変え、咆哮を上げる。
それは他のストロングマンとは違い黒いボディを持ち、鋭い牙と爪を輝かせ、長い尻尾を地面に叩きつける。
コインの力で銀色の装甲で覆われている物の、黒い肌が薄らと見えた。
『データベースにあるぞ。お前も元は真獣だったことがな』
「そんな過去はもう捨てた。今はストロングマンとして戦う。そう誓ったんだ」
ノージャスティスの発言に右手の全指をバラバラに動かし、その後拳に変え決意を表す。
すると黒き機体の右手から高出力のピンク色に輝く光の刃が放出される。
『ならばこの刃、受け止めてみせろ!』
天高く伸びるビームが振り下ろされる。
このままでは〈ジライヤ〉本部が両断されてしまう。
その時だった。
「させるかぁーーー!!」
丈の乗るブルージョー・スワンがビームサーベルを展開、黄色き光の刃で受け止め弾き返した。
『そうか、お前が俺のコピー元。ふん。先輩よ、ストロングマンは任せた。俺はあのロボットを仕留める』
ノージャスティスの相手を倒す気満々の発言に、コバチ・改二はオーケーサインである
そして砲台の照準をボウソウと〈ストロングゼータ〉に合わせ、さらに怨念を怪獣へと姿を変えさせた。
「新馬君、覚悟できてるかい」
「できてます。ここで戦死する覚悟は」
相手の強さを肌で感じ、2人は死を覚悟する。
確かに英二と十気のコンビ、丈の3人ならば勝てたかもしれない。
だがそれは後ろに〈ジライヤ〉と言う名の守るべき壁がなかったからだ。
正直すべての攻撃を防げる気はしない。
((だけどやるしかない))
コバチ・改二から放たれるミサイルを2人は光弾でできるだけ撃ち落とし、迫り来る怨念の軍勢を柴は
さらに腕に装備されている光の刃を展開、大量の斬撃を飛ばし斬り裂いていく。
倒されていく怨念達。
それを見た親玉は照準を卑劣にも〈ジライヤ〉本部に合わせた。
「チィ、こいつぅ!!」
〈ストロングゼータ〉を操作する真は相手の攻撃にいち早く察知し、光線を放つため腕をL字に構える。
エネルギーをチャージし、一気に解き放たれる必殺の一撃。
だがバリアに阻まれ、逆に狙いを定められる。
それに対し出力を限界突破させ、光の壁を破壊していく。
しかし腕パーツが爆裂し、出力が段々と落ちて行った。
怨念を倒していた柴が彼のピンチに気づき、ガバッとコバチ・改二に向けて口を開ける。
「ハイパーサードブレス!」
ソンターブ、アーマーガイ、ビフォーグ、3体の真獣のオーラを身に纏い、破壊光線を放つ。
凄まじい破壊力によりバリアを破壊することに成功、さらに本体を貫通し爆散させるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます